19:プレゼント その1

文字数 3,039文字




 あなたたちは201号室で見付けた日記帳を開いて中を見てみました。


 そこには見たことのない単語がたくさん書かれています。「召喚」「あの日」「もう少し」のような言葉が多く見受けられます。


 日記の最後にはこのように書かれていました。







 突然タケルが頭を押さえ始めました。

 時津は瀬川に日記帳を渡し、すみれと共にタケルに肩を貸して 201 号室の外へ連れ出します。




[瀬川 鉄人]

あれ、ひとりぼっちに……




 瀬川が部屋をよく見渡してみると、バッグは壊れて中身がぶちまけられて散乱しています。

 くるみに頼まれた、何か手頃な投げられそうな物を探すことにしました。




瀬川 鉄人【幸運】⇒ ファンブル




 瀬川は何か光る物を見付けました。

 それを拾い上げようと近付きましたが、手が滑って転倒してしまいました。




ダメージ 1d2 です
瀬川 鉄人【1d2】⇒ 2




 手に痛みを感じ、光った物を見てみると大きめのガラス片でした。手はかなりざっくり切れているようです。




 血をダラダラと流しながら手にガラス片を持った瀬川が 201 号室から現れました。




[楠木 甚之介]

どうしたんですか?

[瀬川 鉄人]

ガラスの上に手をついちゃったんですよ

誰か手当てできるもの持ってないですかね

[くるみ]

わたし救急セット持ってますけど

くるみ【応急手当】(+20)⇒ 成功

くるみ【1d4】⇒ 4




 しっかりと包帯を巻いて瀬川の傷は止血することができました。




瀬川さんの手を使う技能 -10 はナシになって、ダメージも全回復です

[くるみ]

ケガをさせてしまって申し訳ない

[瀬川 鉄人]

これでよければ

[くるみ]

ありがとうございます




 瀬川は血だらけのガラス片をくるみに渡しました。くるみはそれをバッグの中にしまいました。




[瀬川 鉄人]

大丈夫? 危なくない?

[くるみ]

でも持っておくのも危ないから

[時津 サイ]

くるみちゃんだけ段々攻撃力が上がっていく

[くるみ]

誰か包丁持ちたいなら……あ、もなちゃんとかヤバくない?

キーパーからの助言は、武器を持ってると発狂したときに攻撃力が上がっちゃうよ~

守り的には渡したほうがいいけど、発狂したときのことを考えるとどうするべきかっていうのは皆さんで考えてw

[くるみ]

…………どうする?

[河上 もな]

バッグが無いから手に持って歩かなきゃいけないから

[くるみ]

わたしは持ってるよ、ずっとブラブラさせてるよ

要る人? 誰も要らない?

[時津 サイ]

まあ、とりあえず……

[くるみ]

じゃあわたしが大事にまだ持っておきます

伝えてなかったけど、タケルくんはツルハシを持ってます

[瀬川 鉄人]

何で!

[時津 サイ]

力強いなw

[くるみ]

何でツルハシ!?

[瀬川 鉄人]

スタッフルーム、ガーンッとやってもらえば?

[くるみ]

入ってないね、そういえば

[瀬川 鉄人]

まあ、鍵が無いから

[くるみ]

鍵1個も見付けられてないね

[くるみ]

探索するか

[時津 サイ]

せやなw




 「その前に……」と言って時津はタケルのほうを向きました。




[時津 サイ]

部屋が気持ち悪かったの? 本が気持ち悪かったの?

[柴山 タケル]

分からないんだ、突然頭が痛くなって

[瀬川 鉄人]

いま本見せたろか?

[くるみ]

部屋の中入ってみれば?




 くるみがタケルにそう言うと、すみれがタケルの前に立ちました。




[佐倉 すみれ]

タケルくん、中に入ると気分が悪くなるのでそれはちょっと

[くるみ]

中には入らない、か

[楠木 甚之介]

本をここに持ってて気分悪くなってないから本じゃないのでは

[瀬川 鉄人]

開けてチラチラしてみたら分からないけど

[くるみ]

瀬川さんがタケルくんの目の前で本をパラパラパラーッてやってみたらいいんじゃない?




 瀬川はタケルに日記帳をパラパラとめくって見せたり、さっきのページを開いて見せたりします。




[瀬川 鉄人]

これは大丈夫?

[佐倉 すみれ]

やめてください!




 すみれは日記帳を叩き落としました。




[くるみ]

(守りが堅い)

[瀬川 鉄人]

ごめんごめん

[時津 サイ]

とりあえず今は大丈夫なんだよね?

[柴山 タケル]

ああ、もう落ち着いた

[時津 サイ]

続けて他の部屋を見て行くけど、どうしますか?

[柴山 タケル]

俺はちょっとここで休んでおくよ

何かあったら呼んでくれればすみれと一緒に行くから




 タケルとすみれは2階のロビーに座り込んで休憩をとることにしました。




[くるみ]

202 号室に行く?

[河上 もな]

行きます

[時津 サイ]

わたしはタケルくんとすみれちゃんのそばに残るね

[楠木 甚之介]

自分は部屋の中には入らないです

[くるみ]

じゃあ楠木さん、二人を見ててもらえます?

[楠木 甚之介]

分かりました。自分が見ておきましょう

[時津 サイ]

タケルくん、すみれちゃん、何かあったら楠木さんに言ってください




 瀬川、もな、時津、くるみの4人は 202 号室の前に立ちました。

 部屋のドアはどのドアも同じように、長い時間が経過したように古びています。




[瀬川 鉄人]

じゃあ自分が開けます

[くるみ]

じゃあ、目と耳を塞ぎます

[瀬川 鉄人]

耳はもう、いいんじゃないか

[河上 もな]

目を閉じます




 瀬川が部屋のドアを開け、時津は瀬川の後ろから部屋の中をライトで照らします。


 部屋の中は、あなたたちが泊まった部屋と同じような内装や調度品で、やはり時間が経過したようにボロボロの状態になっています。


 しかし、1つだけ違う点がありました。

 テーブルの上に、包み紙にくるまった箱のようなものがあります。




[瀬川 鉄人]

何かテーブルの上にありますね

[時津 サイ]

ありますねえ




 時津はくるみともなの肩を叩き、部屋の中には誰もおらず、箱だけがあることを伝えました。

 くるみともなは目を開けました。




[くるみ]

箱があるやァ~ん

[河上 もな]

箱があるやァ~ん

[時津 サイ]

中に入りますか?

[瀬川 鉄人]

自分は入りますよ

[河上 もな]

箱を開けるんだったら部屋に入らずに遠くから見てます

[くるみ]

誰が開けるの? 一人で開けるの?

[瀬川 鉄人]

…………それでもいいけど

ちょっと待ってね、計るから




 近寄って見てみると、その箱は25センチ平方程度の大きさです。ラッピングされたプレゼントのように見えます。埃をかぶっていますが、破られた後などはなく綺麗な状態です。




[瀬川 鉄人]

自分の頭測ってないよね?

[くるみ]

あ~~~!

ヤダヤダ、行きたくないっ

そんな小顔じゃないけどなあw

[くるみ]

プレゼント用の箱の中に頭とか入ってたらもう猟奇じゃない?

[時津 サイ]

ナマの骨に接してきたからねえ

[河上 もな]

振ってみる?

[くるみ]

いいね、持ち上げて振って

[瀬川 鉄人]

持ってみたら重さが何となく

(慎重やなあ)




 瀬川は言われるがままに箱を持ち上げてみました。中身は意外と軽いものでした。

 振ってみるとカサカサという音がすると同時にガタガタと中身が揺れ、箱の中に何か入っていることが分かります。




[瀬川 鉄人]

とりあえず、ナマモノっぽくはなさそうだけど

[河上 もな]

じゃあ開けちゃう?

[くるみ]

軽いんだったら大丈夫だよね?

骨とかだったらちょっと重いでしょ

[時津 サイ]

まあ、カリッカリかもしれないけど

[瀬川 鉄人]

自分はもう開けていいかなと思う

[時津 サイ]

開けてみましょうか

[くるみ]

目を閉じます

[河上 もな]

同じく、目を閉じます

[時津 サイ]

この環境で目を閉じる勇気ww




 くるみともなは目を閉じました。

 瀬川はできる限り破れないように気を付けながら箱の包み紙を剥がしてゆきます。




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登場人物紹介

瀬川 鉄人(せがわ てつひと)

漫画編集者。河上もなの編集。

もなの父からの信用はあまりない。

河上 もな(かわかみ もな)

漫画家。編集担当は瀬川。

専門学校生だが漫画家業のほうにのめり込み学校を休みがち。

あまり人の目を気にしないマイペース。

時津 サイ(ときつ さい)

普段は冷静だが緊急事態によく転倒する。

楠木甚之介,くるみとは飲み仲間。

楠木 甚之介(くすき じんのすけ)

骨董店の店主。

着流しを着こなす温厚な紳士。二十代にして老成した感がある。

時津サイ,くるみとは飲み仲間。

くるみ

トラック運転手。

女子力を失いたくないと思っている。

時津サイ,楠木甚之介とは飲み仲間。

しゃりんさん(キーパー)

初心者ぞろいのプレイヤーたちを真理へと導こうとする天の声。

ダイス

佐倉 すみれ(さくら すみれ)

宿泊客の一人。

柴山 タケル(しばやま たける)

宿泊客の一人。

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