05:旅館でのひととき その2
文字数 2,138文字
部屋には造花や絵がありますが、特に高級な調度品などが置いてあるわけではありません。手洗い場はあるものの、トイレ、お風呂などは付いていません。それらは部屋の外に共同のものがあります。
どの部屋も大体同じ造りとなっているようです。
浴衣三人の女性と、着物の男性と、普通の私服を着た男性が一人、部屋に集まった5人は豪華な料理を囲みます。
瀬川ともなは資料に使えるような写真を撮影することに成功しました。くるみは極々平凡な写真になってしまいました。
瀬川は興奮して飛び上がるくるみの撮影を試みます。見事、写真に収めることができました。
皆、豪勢な料理にテンションが上がって写真撮影などをする中、楠木はお皿に興味を示します。由緒ある旅館らしい高級な焼き物のお皿です。
楠木が皿に近付いた瞬間、ジャンプしていたくるみのかかとが頭に当たりました。
見事なかかと落としが入ってしまい、くるみは足下に倒れている楠木を見下ろします。
痛そうに頭を抱えている楠木の頭をくるみが撫でてあげると、痛みが消えてゆきました。
そうして色々ありましたが、あなたたちは料理に舌鼓を打ちました。
夕食を食べ終わると19時くらいになりました。
あなたたちが夜空を見に行く相談をしているところに、瀬川の携帯電話が鳴ります。
父親は何か話そうとしていましたが、もなは突然通話を切りました。
もなは瀬川にスマホを返しました。
男性陣はお風呂へ、女性陣は身支度の為に部屋へ行くことになりました。
大浴場。
瀬川と楠木は脱衣所で服を脱ぎました。
浴場の中には誰もいませんでした。
二人は話ながら髪や体を洗い、ゆっくりと湯舟につかりました。
瀬川は泳ごうと思って勢いよく潜ってみましたが、突然足が攣りました。
瀬川は足が攣ったショックで意気消沈し、二人は20時ちょっと前にお風呂から上がりました。
風呂から上がった瀬川は自販機に向かうことにしました。楠木も瀬川についていきました。