第22話 「発情期」【レイラ視点】
文字数 3,350文字
それからレイラ達はエルザと出会い、
ミスタリス王国に行くことになった。
ここミスタリス王国に来てからは新鮮な日々だった。
経験したことがない街の風景や空気で浮かれていた。
その国の王女はなんというか……色々凄い人だった。
強さもそうだけど、何を考えているのか分からない。
レイラは信じてもいいと思ったと同時に、
たしかな身の危険を感じた。
やっぱりそれは的中した。
エルザにサンドバッグにされる、剣術修行の日々が始まった。
***
アスフィと出会って色んなことが起きた。
辛いこともあった……けど、楽しい事もその分増えた。
レイラは今すごく幸せだ。家にいた時よりずっと。
剣術修行は大変だけど、それでもアスフィと一緒なら楽しい。
そんなふうに考えていたらアスフィが――
「……ねぇレイラ」
「なに?」
「デートしよっか」
「……!?」
レイラは飲んでいたお茶を吹きだしてしまった。
***
アスフィは色々連れて回ってくれた。
気を遣ってくれたんだと思う。
ここ最近のレイラはアスフィに迷惑をかけてばっかり……。
そんな自分に少し嫌気がさしていた。
それをアスフィは汲み取ってくれたのかもしれない。
アスフィは本当に優しい……レイラの大切な人だ。
すると商人のおじさんがレイラ達に話しかけてきた。
「お? 君達デートかい? 若いねぇ」
(デ、デート……!?? )
「はい、今日はお休みなのでお出かけしています」
「ほう? そりゃいいな! そこのお嬢ちゃんもえらくべっぴんさんじゃあねえか! 彼女か? はっはっは!」
「でしょ? 僕の妻です」
(ア、アスフィ……本気なのかな……レイラが妻って……)
ここに来て舞い上がってばかりだ。
恥ずかしすぎてつい下を向いてしまう。
「……」
レイラとアスフィは服屋に来た。
アクセサリーも売っていた。
商人のおじさんが紹介してくれたお店だ。
早速アスフィは服を見て回っている。
そして一着の服を持ってきた。
「ねぇ、レイラ?」
「なに、アスフィ」
「こ、このワンピースなんてどう――」
「嫌だよ」
アスフィは胸の大きく開いた服を持ってきた。
(あ……これ、お母さんがよく着ている服だ……アスフィはこういう服が好きなのかな。でもこれは恥ずかしいな……)
アスフィはすごく残念そうな顔で元にある場所に返しに行った。
(試着ぐらいはしてあげても良かったかな……? )
そしてまた少ししてもう一着服を持ってきた。
上下ピンクでフリフリな服。
レイラが初めてアスフィと会った時に着ていた服に似ている……。
(懐かしい……お気に入りだったんだよね)
その服をアスフィは買ってくれた。
「凄く似合っているよ! レイラ」
「……そう? ありがとう……」
(なんだか昔に戻ったみたい……)
その後も色々見て回ることにした。
とはいってもお店に入ることはなく、
ほとんど街をみていただけだった。
でも、それが本当に楽しかった。
アスフィと一緒だったから。
……
…………
………………
気づけば夜になっていた。
暗くなってきたということで帰ることになった。
(時間経つの早かったなぁ……)
「あ、そうだ! ちょっとここで待ってて!」
「え、うん分かった」
(なんだろう……忘れ物でもしたのかな)
アスフィは最初に入った店に入っていった。
しばらくすると戻ってきた。
「……おまたせレイラ! じゃあ帰ろっか」
「うん」
(本当に何だったんだろう……)
レイラ達は食事を済ませ、部屋に戻った。
なんだか今日は随分と楽しかった。
アスフィがデートと言い出した時はビックリしたけど……。
すると、アスフィが突然誕生日プレゼントと言い、
レイラにプレゼントをくれた。
「……覚えてて、くれたんだ……」
「もちろん! もう付き合いも結構長いからね」
「……ありがとうアスフィ」
(アスフィがレイラの誕生日を覚えててくれた……! )
レイラはこの時、すごく喜んだ。
誕生日プレゼント……貰ったのは初めてだった。
両親から貰ったことは一度もない。
そもそも両親がレイラの誕生日を覚えているかどうかも怪しい。アスフィがくれたのは猫の髪飾りだった。レイラはそれを頭に着けた。
「うん! すごく似合っているよ! なんせ素材がいいからね!」
「……」
レイラはまた下を向いてしまった……。
その後シャワーを浴びて寝ることになった。
***
レイラはアスフィのことをどう思っているのだろう。
シャワーを浴びながらそんなことを考えていた。
(好き……なのかな)
レイラは好きの感情が分からない。アスフィは確かに大切な人だ。でも、友達でもある。友達を好きになるのって普通なのかな。そう思っていた。
色々考えていたら、
気づけば随分と長風呂になってしまった。
カラダが熱い……。
アスフィはもう寝ているのかな。
(アスフィ……)
レイラはアスフィの事を考えていた。
カラダが熱い……。
(もしかしてこれが発……情期……? )
レイラは発情期を迎えてしまったのかな。
「……ねぇアスフィ……体がアツい」
レイラはアスフィの布団に入ってみた。
……アスフィは自分のベッドに戻れという。
でも、顔はそんな風に見えなかった。
アスフィは何回かレイラのお風呂を覗いていた。
それだけじゃない。野営の時、寒さを凌ぐために葉っぱにくるまりながら抱き合っていた時も、さりげなくレイラの胸に触れていた。多分アスフィはレイラが気付いていないと思ってやっていたようだけど、もちろんちゃんと気づいていた。
(アスフィはレイラの胸が好き……なんだ……こんなものが……)
「……いいの?」
「アスフィはえっちだもんね……でも今日はいいよ」
レイラはアスフィに自分の胸を触ることを許可した。
いや、そもそもレイラから誘っているのだからアスフィは悪くないと思う。レイラは今、ベットに横になっているアスフィに跨っている。
「……柔らかい」
「……あっ」
(これすごく恥ずかしい……よ)
アスフィは更に要求してきた。
「……服の中も……いい? レイラ」
「いい……よ」
レイラも悪かったと思う。
アスフィを誘ったのはレイラだ。
カラダが熱かったのだ。仕方がない。
(ん……くすぐったい……でもアスフィ嬉しそう………)
「レイラ……僕、もう!!」
レイラはここで大人になるんだ。
そう思った。でも今日で十四になった。
十五も十四も対して変わらない……少し早いだけだ。
この時そう思っていた。
すると思いもよらない来客が来た――
「遊びに来たよ! アスフィ、レイ……ラ……」
(エ、エルザ!? なんで……あ! 見られちゃった……! )
エルザ女王が勢いよく扉を開けた。
レイラとアスフィの今の状況を見られてしまった……。
レイラは一気にカラダの熱が冷め、
この後、どうすればいいか考えた。
でもよく考えてもどうしたらいいのか分からなかった。
結果レイラがとった行動は――
「すぅ……すぅ」
寝ているフリをすることだった。
そのままだと、怪しまれると思って、
上を向いて目を瞑り、寝息を立てることにした。
(……お願い! アスフィ気づかないで……!! )
「そんな状態でも寝れるんだね……はぁ」
助かった……。気づかれなかった。
レイラは何とか寝たフリを成功させた。
その後、アスフィがベッドまで運んでくれた。
(……やっぱりアスフィは優しいね……)
この一件は後々エルザに詰められる事になった。
今も廊下で騒いでいる女王様に。
「パパーーー!! アスフィとレイラがいやらしいことを――」
(……もしエルザが来なかったらレイラ達どうなっていたんだろう……)
後々気づいたことだけど、
カラダが熱くなっていたのは単にのぼせただけだった。
発情期では無かった……。
良かったと思うべきなのか良くわからなかった。
でもきっともし本当に発情期だったなら……
あそこで終わることは無かったのかも。
そんなことを考えているとまたカラダが熱くなってきた。
ミスタリス王国に行くことになった。
ここミスタリス王国に来てからは新鮮な日々だった。
経験したことがない街の風景や空気で浮かれていた。
その国の王女はなんというか……色々凄い人だった。
強さもそうだけど、何を考えているのか分からない。
レイラは信じてもいいと思ったと同時に、
たしかな身の危険を感じた。
やっぱりそれは的中した。
エルザにサンドバッグにされる、剣術修行の日々が始まった。
***
アスフィと出会って色んなことが起きた。
辛いこともあった……けど、楽しい事もその分増えた。
レイラは今すごく幸せだ。家にいた時よりずっと。
剣術修行は大変だけど、それでもアスフィと一緒なら楽しい。
そんなふうに考えていたらアスフィが――
「……ねぇレイラ」
「なに?」
「デートしよっか」
「……!?」
レイラは飲んでいたお茶を吹きだしてしまった。
***
アスフィは色々連れて回ってくれた。
気を遣ってくれたんだと思う。
ここ最近のレイラはアスフィに迷惑をかけてばっかり……。
そんな自分に少し嫌気がさしていた。
それをアスフィは汲み取ってくれたのかもしれない。
アスフィは本当に優しい……レイラの大切な人だ。
すると商人のおじさんがレイラ達に話しかけてきた。
「お? 君達デートかい? 若いねぇ」
(デ、デート……!?? )
「はい、今日はお休みなのでお出かけしています」
「ほう? そりゃいいな! そこのお嬢ちゃんもえらくべっぴんさんじゃあねえか! 彼女か? はっはっは!」
「でしょ? 僕の妻です」
(ア、アスフィ……本気なのかな……レイラが妻って……)
ここに来て舞い上がってばかりだ。
恥ずかしすぎてつい下を向いてしまう。
「……」
レイラとアスフィは服屋に来た。
アクセサリーも売っていた。
商人のおじさんが紹介してくれたお店だ。
早速アスフィは服を見て回っている。
そして一着の服を持ってきた。
「ねぇ、レイラ?」
「なに、アスフィ」
「こ、このワンピースなんてどう――」
「嫌だよ」
アスフィは胸の大きく開いた服を持ってきた。
(あ……これ、お母さんがよく着ている服だ……アスフィはこういう服が好きなのかな。でもこれは恥ずかしいな……)
アスフィはすごく残念そうな顔で元にある場所に返しに行った。
(試着ぐらいはしてあげても良かったかな……? )
そしてまた少ししてもう一着服を持ってきた。
上下ピンクでフリフリな服。
レイラが初めてアスフィと会った時に着ていた服に似ている……。
(懐かしい……お気に入りだったんだよね)
その服をアスフィは買ってくれた。
「凄く似合っているよ! レイラ」
「……そう? ありがとう……」
(なんだか昔に戻ったみたい……)
その後も色々見て回ることにした。
とはいってもお店に入ることはなく、
ほとんど街をみていただけだった。
でも、それが本当に楽しかった。
アスフィと一緒だったから。
……
…………
………………
気づけば夜になっていた。
暗くなってきたということで帰ることになった。
(時間経つの早かったなぁ……)
「あ、そうだ! ちょっとここで待ってて!」
「え、うん分かった」
(なんだろう……忘れ物でもしたのかな)
アスフィは最初に入った店に入っていった。
しばらくすると戻ってきた。
「……おまたせレイラ! じゃあ帰ろっか」
「うん」
(本当に何だったんだろう……)
レイラ達は食事を済ませ、部屋に戻った。
なんだか今日は随分と楽しかった。
アスフィがデートと言い出した時はビックリしたけど……。
すると、アスフィが突然誕生日プレゼントと言い、
レイラにプレゼントをくれた。
「……覚えてて、くれたんだ……」
「もちろん! もう付き合いも結構長いからね」
「……ありがとうアスフィ」
(アスフィがレイラの誕生日を覚えててくれた……! )
レイラはこの時、すごく喜んだ。
誕生日プレゼント……貰ったのは初めてだった。
両親から貰ったことは一度もない。
そもそも両親がレイラの誕生日を覚えているかどうかも怪しい。アスフィがくれたのは猫の髪飾りだった。レイラはそれを頭に着けた。
「うん! すごく似合っているよ! なんせ素材がいいからね!」
「……」
レイラはまた下を向いてしまった……。
その後シャワーを浴びて寝ることになった。
***
レイラはアスフィのことをどう思っているのだろう。
シャワーを浴びながらそんなことを考えていた。
(好き……なのかな)
レイラは好きの感情が分からない。アスフィは確かに大切な人だ。でも、友達でもある。友達を好きになるのって普通なのかな。そう思っていた。
色々考えていたら、
気づけば随分と長風呂になってしまった。
カラダが熱い……。
アスフィはもう寝ているのかな。
(アスフィ……)
レイラはアスフィの事を考えていた。
カラダが熱い……。
(もしかしてこれが発……情期……? )
レイラは発情期を迎えてしまったのかな。
「……ねぇアスフィ……体がアツい」
レイラはアスフィの布団に入ってみた。
……アスフィは自分のベッドに戻れという。
でも、顔はそんな風に見えなかった。
アスフィは何回かレイラのお風呂を覗いていた。
それだけじゃない。野営の時、寒さを凌ぐために葉っぱにくるまりながら抱き合っていた時も、さりげなくレイラの胸に触れていた。多分アスフィはレイラが気付いていないと思ってやっていたようだけど、もちろんちゃんと気づいていた。
(アスフィはレイラの胸が好き……なんだ……こんなものが……)
「……いいの?」
「アスフィはえっちだもんね……でも今日はいいよ」
レイラはアスフィに自分の胸を触ることを許可した。
いや、そもそもレイラから誘っているのだからアスフィは悪くないと思う。レイラは今、ベットに横になっているアスフィに跨っている。
「……柔らかい」
「……あっ」
(これすごく恥ずかしい……よ)
アスフィは更に要求してきた。
「……服の中も……いい? レイラ」
「いい……よ」
レイラも悪かったと思う。
アスフィを誘ったのはレイラだ。
カラダが熱かったのだ。仕方がない。
(ん……くすぐったい……でもアスフィ嬉しそう………)
「レイラ……僕、もう!!」
レイラはここで大人になるんだ。
そう思った。でも今日で十四になった。
十五も十四も対して変わらない……少し早いだけだ。
この時そう思っていた。
すると思いもよらない来客が来た――
「遊びに来たよ! アスフィ、レイ……ラ……」
(エ、エルザ!? なんで……あ! 見られちゃった……! )
エルザ女王が勢いよく扉を開けた。
レイラとアスフィの今の状況を見られてしまった……。
レイラは一気にカラダの熱が冷め、
この後、どうすればいいか考えた。
でもよく考えてもどうしたらいいのか分からなかった。
結果レイラがとった行動は――
「すぅ……すぅ」
寝ているフリをすることだった。
そのままだと、怪しまれると思って、
上を向いて目を瞑り、寝息を立てることにした。
(……お願い! アスフィ気づかないで……!! )
「そんな状態でも寝れるんだね……はぁ」
助かった……。気づかれなかった。
レイラは何とか寝たフリを成功させた。
その後、アスフィがベッドまで運んでくれた。
(……やっぱりアスフィは優しいね……)
この一件は後々エルザに詰められる事になった。
今も廊下で騒いでいる女王様に。
「パパーーー!! アスフィとレイラがいやらしいことを――」
(……もしエルザが来なかったらレイラ達どうなっていたんだろう……)
後々気づいたことだけど、
カラダが熱くなっていたのは単にのぼせただけだった。
発情期では無かった……。
良かったと思うべきなのか良くわからなかった。
でもきっともし本当に発情期だったなら……
あそこで終わることは無かったのかも。
そんなことを考えているとまたカラダが熱くなってきた。