最終話 共に
文字数 706文字
昔、三角屋根の展望台からは斜面全体に広がるハマヒルガオと砂浜、海がとても綺麗に見えたという。現在、ハマヒルガオは咲いていない。斜面はコンクリートの階段となり、海は巨大な防潮堤に囲まれている。この三角屋根の展望台の場所も、当初は防潮堤を建てる予定だったという。だが、海を見たいという人の想いから展望台は再建されたそうだ。
パッ、パッと妻のうなじにある小さなライトが点滅した。
「もしかしてライト点滅してる?」と妻が訊いた。
「うん、青色に点滅している。冷却の合図だね。長時間、太陽の下にいたからだ。車に戻って涼もう。」
私はノートを片手に持ち、妻に手を差し出した。妻は、差し出された手を取りながら言う。
「私、あなたと知り合えて、あなたから色んなことを学びながら一緒に生活できて今とても幸せなんだ。」
彼女はすっと立ち上がった。
「私もあなたを守りたい。私も自分なりにあなたを守ってみせるから。」
力強い言葉と共に、妻は僕の手を強く握った。アキコは思いっきりが良くて、危なっかしくて、楽しくて、僕も何かしてあげたいと思ってしまう。
僕は思わず笑みをこぼした。
「ありがとう、アキコ。でもちょっと握る力が強いかな、笑」
彼女は「あっ、ごめん!」と手を離した。それから思いついたように言った。
「そうだ!物理的になら、今すぐでもあなたを守れるかも。私、力には自信あるよ。よーし、ここから車まであなたを担いで行っちゃおう!」
「えっ、ちょ、それは待った!」
僕を担ごうとする妻を慌てて制止して、僕は妻から逃げるように走った。
「えっ、なんで逃げるの⁉待ちなさい~!」と妻は追いかけてくる。
僕たちは走り、笑い合いながら車へと戻った。
パッ、パッと妻のうなじにある小さなライトが点滅した。
「もしかしてライト点滅してる?」と妻が訊いた。
「うん、青色に点滅している。冷却の合図だね。長時間、太陽の下にいたからだ。車に戻って涼もう。」
私はノートを片手に持ち、妻に手を差し出した。妻は、差し出された手を取りながら言う。
「私、あなたと知り合えて、あなたから色んなことを学びながら一緒に生活できて今とても幸せなんだ。」
彼女はすっと立ち上がった。
「私もあなたを守りたい。私も自分なりにあなたを守ってみせるから。」
力強い言葉と共に、妻は僕の手を強く握った。アキコは思いっきりが良くて、危なっかしくて、楽しくて、僕も何かしてあげたいと思ってしまう。
僕は思わず笑みをこぼした。
「ありがとう、アキコ。でもちょっと握る力が強いかな、笑」
彼女は「あっ、ごめん!」と手を離した。それから思いついたように言った。
「そうだ!物理的になら、今すぐでもあなたを守れるかも。私、力には自信あるよ。よーし、ここから車まであなたを担いで行っちゃおう!」
「えっ、ちょ、それは待った!」
僕を担ごうとする妻を慌てて制止して、僕は妻から逃げるように走った。
「えっ、なんで逃げるの⁉待ちなさい~!」と妻は追いかけてくる。
僕たちは走り、笑い合いながら車へと戻った。