第20話:マレーシア機が行方不明

文字数 1,500文字

 マレーシア航空機MH370便は、離陸の約50分後、ベトナム南部の海岸近くの海上を航行中の1時半にクアラルンプールの西南西、約15キロにあるススバン空港の管制当局との交信の終了後、次の予定飛行空域を担う管制当局とは交信を開始せず、以後、無線電話通信による管制当局との交信を絶った。救難信号は出されていなかった。フライトレーダーを見ると南に向かっているのが確認された。

 マレーシア空軍は軍事レーダーなどから370便は消息を絶つ直前に出発地のクアラルンプールに引き返そうとした可能性があると発表された。その後、タイランド湾のトーチュー島付近に墜落したとされていたが、マレーシアのヒシャムディン・フセイン運輸大臣代理により、トーチュー島付近に墜落と言う話は、否定された。

 その後、3月11日にマレーシア空軍幹部がCNNの取材に対して「同機はベトナム沖上空でATCトランスポンダが自動応答を返さなくなったあと、目的地の北京とは逆方向へ引き返したとみられ、同空軍は出発地クアラルンプールの北西、マラッカ海峡の上空で機体を見失った」と語った。

 3月20日、オーストラリア海洋安全局は、衛星画像の解析でパースの南西沖、約2500キロの地点で同機と関係がある可能性のある大小2つの物体を見つけたと発表。大きい方は24メートル位、小さい方は5メートルの大きさだという。また、3月22日には、新華社通信が2つの物体からさらに120キロ離れた地点で長さ約22メートル、幅約13メートルの浮遊物を発見したと報じた。

 しかし、これらが当該機の残骸であるとの確認は取れないままであった。2015年7月29日、フランス領レユニオンで航空機の残骸と思われる部品、スーツケースが発見された。フランス、トゥールーズに運ばれて詳細に調査されたところボーイング777の部品であることが判明。その後、8月6日にナジブ首相が記者会見を行い以下の様に述べた。

 レユニオン島で発見された航空機の機体について、370便の機体の一部であることを確認した。発見された機体の一部は「フラッペロン」であった。2016年3月21日にも南アフリカで搭載されていたエンジン「ロールス・ロイス トレント892」の一部と見られるエンブレム入りの破片が見つかった。370便の残骸がレユニオン島、以外のモザンビーク、モーリシャス、マダガスカルで発見された。
 このうち、マダガスカルには乗客の所持品と思われる手荷物が2016年6月ごろに海岸へと漂着していた。そして同年9月13日迄にマダガスカル南東部のサントルース近郊で370便の機体の一部と思われる残骸が焼け焦げた状態で漂着しているのが発見された。そのため、370便の機内で火災が発生した可能性が浮上した。

 2020年2月18日、オーストラリアのスカイニュースは、事故当時のマレーシア政府首脳が「操縦士による自殺」との見方を示していたとするアボット元豪首相の証言を伝えた。報道によると当時首相だったアボットは、航空機の消息が途絶えてから1週間以内の時点で「操縦士による自殺である事はほぼ確実。大量無理心中だ」とマレーシア政府内の「最高レベル」の人物たちから伝えられたと述べた。

 2020年3月17日、マレーシア航空の関係者は、同機の操縦席から1時19分に「了解、おやすみ『オーライ、グッナイト』」という最後の交信をしたのが副操縦士であったことを明らかにした。また、エーカーズの発信は、30分間隔で1時7分を最後に次の1時37分の発信はなく、1時7分から1時37分の間のいつの時点でエーカーズが停止したのかは不明だと述べた。
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