第23話 宮本浩次 其の2~コロナ禍前~
文字数 2,159文字
みなさんこんにちは。エレカシのみなさんと同学年の甘らかんと申します。
2000~2020年まで、ライブ通い終了と暗黒の社畜時代を過ごし、心身ともに疲れ切り、もうこのまま静かな老人になって行くのも仕方がない。とお茶をすすりながら夜のニュース番組を観ていたことろ、そのエンディング曲に使われていた【獣行く細道】の【借りものの命がひとつ 厚かましく使い込んで返せ】という一節が深く胸に突き刺さったというところまで来ました。
*
【獣行く細道】がひっかかったなら、椎名林檎さんに沼らない? という話もありますが、それまでエレカシのエの字(【今宵の月のように】【俺たちの明日】【悲しみの果て】のサビだけは知っていた)くらいしか知らない私でも、椎名林檎さんはがっつり知っていました。
ナース姿でガラスけ破ったり歌舞伎町の女王とか、衝撃のデビューをちゃんと知っています。
【う~ん。残念ながら椎名林檎さんは波長が合わない】
そもそも女性シンガーに惹かれない傾向があり、唯一沼ったのは後にも先にもバービーボーイズの杏子さんだけ(第7回参照)で、どちらかというと。
【トータス松本さんとのコラボ曲も良かった】
という感想を抱き、椎名林檎さんに関してはコラボ曲に吸引されるのかもしれません。
そんなニュース番組のおかげで【獣行く細道】という楽曲の全体像が知りたくなるわけですが、20年も音楽に関心が薄れてしまった脳みそは【YouTubeの力を借りればいいんだよ】ということが考え付かない。というか、機会があったら聞ければいい。という気でいた。
それどころか、このときの私は。
【椎名林檎と歌っている男はだれだ?】
とんでもなく記憶喪失な疑問を、姉に投げかけていたと思う。
エレカシをスルーしていた人生を送っていた妹(私のことだ)に対し、姉はかなり昔からエレカシを意識しており「エレカシがデビュー当時、ギターケース持ったギターの人よく山手線で見た。池袋で降りてた」しれっと石森氏池袋で乗り換えて赤羽戻るの巻(想像)を目にしていたという。なんてことだ。
まぁ、それはJR池袋駅に置いておいて。
2018年、私はようやく【エレファントカシマシのボーカルの名前が〈宮本浩次〉であることを知るのである】。
そうか、【さぁ頑張ろうぜ、言っていたバンドの人か】という印象しかなかった私に、姉はさらりと「ソロはじめた荒ぶる宮本がすごい」と言い出す。
姉の言う【荒ぶる】の意味が、このときはよくわからなかった。
そんな折、【獣行く細道】がミュージックステーション(Mステ)で披露されるという情報をゲットする。おおっ、フルで聞けるチャンスじゃないか。
2000年以降、音楽番組など観ていなかったに等しかった。本当に久しぶりにチャンネル合わせたMステである。18年月日が流れてもタモリさんは元気そうだった。
初めて一節しかわからなかった楽曲の全貌がわかる時が来たと、ウキウキしながら画面を観た。
【この世は無常】【みんなわかっているのさ】
たぶん、この辺までは記憶している。
しかし、そのあとは……。
【宮本の動きが異次元すぎて歌の内容が頭に入って来ませんでした】
*
エレカシの宮本という人は、いったいなんなのだ?
ここで若干の知能が芽生えた私はウィキペディア先生の情報で、エレカシ宮本の詳細を確認する。
1966年6月12日生まれ。という一文が目に飛び込む。
【あの落ち着きのない宮本が宮本である上に同じ年齢だとう!】
私も宮本の印鑑を持っているくらいの宮本として、さらに同じ年齢という衝撃に漬物石を持たされたかのような気持ちになってしまった。
よく見りゃエレファントカシマシというバンドは全員同学年で、中学、高校の同級生という。
【50を過ぎてあの動き。無茶苦茶が過ぎる】
それだけ確認してそっとウィキを閉じた。
改めてMステの記憶を引きずり出そうとしたのだが、【荒ぶる宮本】がその通り連獅子のような動きを見せ、椎名林檎が爆笑寸前であったことしか思い出せない。
椎名林檎、なんでこの人と組んだんだろう。いや、椎名林檎だからか。まぁ、結果面白かったからいいのか?
*
疑問符を残したまま2018年が終わろうとしていた。今度は紅白歌合戦に出るという情報が入ってくる。
【いい大人だし。NHKなら普通に歌ってくれるに違いない】
宮本浩次というアーティストを何も知らない素人考え(普通ってなんだ?)。自ら死亡フラグを立ててしまうという、やられキャラ(私のことだ)がいた。
この時はまだ宮次にハマっておらず、とにかく【獣行く細道】の全貌が知りたかっただけだったので、勇んで紅白歌合戦2018年12月31日を拝見したのである。
【Mステは民法だから、わりと自由がきいたけれど、天下のNHKでアレ(←もはや衝撃のパフォーマンスはアレとしか言いようがなくなっている)はないだろ】
今度こそ【獣行く細道】がどういう曲かわかるだろう。
紅白歌合戦を拝見した。
結論。
【Mステよりパワーアップしていて、まったく楽曲が頭に入って来ない】
宮本浩次、この男は大丈夫なのか?
なにが大丈夫なのかって、そりゃ、今度も椎名林檎が笑いこらえているところだよ。
こうして2018年は終焉を迎えるのであった。
~続く~
2000~2020年まで、ライブ通い終了と暗黒の社畜時代を過ごし、心身ともに疲れ切り、もうこのまま静かな老人になって行くのも仕方がない。とお茶をすすりながら夜のニュース番組を観ていたことろ、そのエンディング曲に使われていた【獣行く細道】の【借りものの命がひとつ 厚かましく使い込んで返せ】という一節が深く胸に突き刺さったというところまで来ました。
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【獣行く細道】がひっかかったなら、椎名林檎さんに沼らない? という話もありますが、それまでエレカシのエの字(【今宵の月のように】【俺たちの明日】【悲しみの果て】のサビだけは知っていた)くらいしか知らない私でも、椎名林檎さんはがっつり知っていました。
ナース姿でガラスけ破ったり歌舞伎町の女王とか、衝撃のデビューをちゃんと知っています。
【う~ん。残念ながら椎名林檎さんは波長が合わない】
そもそも女性シンガーに惹かれない傾向があり、唯一沼ったのは後にも先にもバービーボーイズの杏子さんだけ(第7回参照)で、どちらかというと。
【トータス松本さんとのコラボ曲も良かった】
という感想を抱き、椎名林檎さんに関してはコラボ曲に吸引されるのかもしれません。
そんなニュース番組のおかげで【獣行く細道】という楽曲の全体像が知りたくなるわけですが、20年も音楽に関心が薄れてしまった脳みそは【YouTubeの力を借りればいいんだよ】ということが考え付かない。というか、機会があったら聞ければいい。という気でいた。
それどころか、このときの私は。
【椎名林檎と歌っている男はだれだ?】
とんでもなく記憶喪失な疑問を、姉に投げかけていたと思う。
エレカシをスルーしていた人生を送っていた妹(私のことだ)に対し、姉はかなり昔からエレカシを意識しており「エレカシがデビュー当時、ギターケース持ったギターの人よく山手線で見た。池袋で降りてた」しれっと石森氏池袋で乗り換えて赤羽戻るの巻(想像)を目にしていたという。なんてことだ。
まぁ、それはJR池袋駅に置いておいて。
2018年、私はようやく【エレファントカシマシのボーカルの名前が〈宮本浩次〉であることを知るのである】。
そうか、【さぁ頑張ろうぜ、言っていたバンドの人か】という印象しかなかった私に、姉はさらりと「ソロはじめた荒ぶる宮本がすごい」と言い出す。
姉の言う【荒ぶる】の意味が、このときはよくわからなかった。
そんな折、【獣行く細道】がミュージックステーション(Mステ)で披露されるという情報をゲットする。おおっ、フルで聞けるチャンスじゃないか。
2000年以降、音楽番組など観ていなかったに等しかった。本当に久しぶりにチャンネル合わせたMステである。18年月日が流れてもタモリさんは元気そうだった。
初めて一節しかわからなかった楽曲の全貌がわかる時が来たと、ウキウキしながら画面を観た。
【この世は無常】【みんなわかっているのさ】
たぶん、この辺までは記憶している。
しかし、そのあとは……。
【宮本の動きが異次元すぎて歌の内容が頭に入って来ませんでした】
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エレカシの宮本という人は、いったいなんなのだ?
ここで若干の知能が芽生えた私はウィキペディア先生の情報で、エレカシ宮本の詳細を確認する。
1966年6月12日生まれ。という一文が目に飛び込む。
【あの落ち着きのない宮本が宮本である上に同じ年齢だとう!】
私も宮本の印鑑を持っているくらいの宮本として、さらに同じ年齢という衝撃に漬物石を持たされたかのような気持ちになってしまった。
よく見りゃエレファントカシマシというバンドは全員同学年で、中学、高校の同級生という。
【50を過ぎてあの動き。無茶苦茶が過ぎる】
それだけ確認してそっとウィキを閉じた。
改めてMステの記憶を引きずり出そうとしたのだが、【荒ぶる宮本】がその通り連獅子のような動きを見せ、椎名林檎が爆笑寸前であったことしか思い出せない。
椎名林檎、なんでこの人と組んだんだろう。いや、椎名林檎だからか。まぁ、結果面白かったからいいのか?
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疑問符を残したまま2018年が終わろうとしていた。今度は紅白歌合戦に出るという情報が入ってくる。
【いい大人だし。NHKなら普通に歌ってくれるに違いない】
宮本浩次というアーティストを何も知らない素人考え(普通ってなんだ?)。自ら死亡フラグを立ててしまうという、やられキャラ(私のことだ)がいた。
この時はまだ宮次にハマっておらず、とにかく【獣行く細道】の全貌が知りたかっただけだったので、勇んで紅白歌合戦2018年12月31日を拝見したのである。
【Mステは民法だから、わりと自由がきいたけれど、天下のNHKでアレ(←もはや衝撃のパフォーマンスはアレとしか言いようがなくなっている)はないだろ】
今度こそ【獣行く細道】がどういう曲かわかるだろう。
紅白歌合戦を拝見した。
結論。
【Mステよりパワーアップしていて、まったく楽曲が頭に入って来ない】
宮本浩次、この男は大丈夫なのか?
なにが大丈夫なのかって、そりゃ、今度も椎名林檎が笑いこらえているところだよ。
こうして2018年は終焉を迎えるのであった。
~続く~