第27話 エレファントカシマシ 後編~やっぱりライブ(生)がいい~

文字数 2,088文字

 みなさんこんにちは。【進撃の巨人】でお馴染みの【諫山創】先生の描く【巨人の星】があったとしたら。マウンドにのぼるリヴァイ兵長の目はメラメラ燃え上がり、四の五の言わずに豪速球投げまくり、バッターに打たれようものならナイン全員マウンドに呼びつけ、グローブを叩きつけて全員引き連れてグラウンドうさぎ跳び1周して、気を取り直して大リーグボール投げはじめて、三振の山に感動しちゃって自ら目の幅の涙を流し始めて、それにつられてナイン全員でがっつり抱き合って号泣して、観客席のファン、関係者、報道陣までもがつられて目から大量の涙を流したところで、マウンドを降りてベンチに腰掛けたとたん、作画が【植田まさし】先生になる【コボちゃん】現象に巻き込まれたことにより、宮本浩次率いるエレファントカシマシというバンドにたいへん前のめりになったというところまで来ました。



 2020年10月4日。エレファントカシマシによる日比谷野外音楽堂でのライブが生配信されることを知る。
 コロナ禍によりさまざまなアーティストがライブの有料配信を始めるなか、ご多分に漏れずというのかはわかりませんが、毎年恒例という(なにしろファン歴数ヵ月の赤ん坊なのでわからないことだらけ)。日比谷野外音楽堂ライブというものが通常の半数くらいではあるが、有観客で行われるそうで。

【これは、見るべき案件なのでは。】

 生配信ライブというものにも興味があった。この方式はコロナがあけても続く文化になるやも知れぬ。ならば、乗っからない手はない。体験しておこう。という気持ちもあり。

【わくわくしながら……。】

 宮本浩次を語る回になってから、何度かこの言い回しを使っているような気がしてならない。わくわくするたびに、次に来るのが【目が白くなって頭も真っ白】という展開なのも気のせいだろうか。



 結論から言うと。このライブの後、エレファントカシマシのファンクラブ【PAO】に入会していました。
 目も頭も真っ白になったからです。

 野音配信を観て思ったこと。
 まず、ソロでやんちゃに大暴れしていた人とは思えなかった。
【別人だぞ、おい。】

 河村隆一からのLUNA SEAのときも、それを感じたが(第21話参照)。
 河村隆一の場合は【少女マンガにおけるヒロインを助けるヒーロー】で、LUNA SEAに戻るときは【青年誌におけるダークヒーロー】になっていた。なので、基本、ブレのないイケメンヒーローという柱がある。それはRYUICHIの魅力であったから、素直に痺れることができた。

 宮本浩次に対し感じたのは【ガラスの仮面】(美内すずえ:著)のヒロイン【北島マヤ】だった。

【1000の仮面を持つ男だ。】

 その後、カバーアルバム【ROMANCE】を出して、お茶の間の人気者に上り詰めつつあるところから確信したのだが、彼はあらゆる状況に合わせて内面を変えてきている。演技力というのか。児童合唱団時代にスパルタ教育を受けたコントロールの良さが手伝っているのもあるのだろう。
【巨人の星】は巨人の星、【進撃の巨人】は進撃の巨人、【コボちゃん】はコボちゃん。その切り替えの絶妙さだ。ただし、作画はごちゃごちゃであるが。



 ということで、はじめて拝見した2020年野音のエレカシはかなり殺気立っていた印象がある。【巨人の星】全開だ。間違いのないコントロールをもって豪速球や大リーグボールを投げ込んでくる。宮次の目はメラメラ燃えていた。一曲歌うごとに燃えまくっていた。
 そんなピッチャーを守る石森氏(G)、冨永氏(Dr)、高緑氏(B)の慣れ切った守備力。ノックとうさぎ跳びのたまものなのか。彼らでなければ、星一徹のちゃぶ台返しもよけられないし、星飛雄馬の大リーグボールもキャッチできないだろう。

 箱としてのパフォーマンスは、ソロの微笑ましさ全くなしで【カッコいい】の一言しか感想が出てこず、終始「キャー」とか「ヒィー」とか気かおかしくなったかのような自分がワンルームの自室にいたので、このときばかりは独り者でよかったと思う所存。



 まんまと箱にも沼ってしまった。
 このような配信ライブを見せられては、自分に息があるまでに、ライブに行かねばならぬ。という使命がわいてくる。
 FCに入会するのは、ライブのチケットをゲットしたいからで、TM NETWORK、LUNA SEA、に続いて3組目だった。
【ライブ行きたい、会場で生演奏に参加したい!】
 同じ空気を吸うライブは違う。その場にしかない新しい発見と感動がある。20年の空白で忘れている感覚を取り戻したくなる。

【この年齢になって、ライブ熱が戻ってくるとは思わなかった。】

 2021年現在。わくわくが湧き上がっています。



 ということで。
 コロナが終息し、ライブが再開されるまでに、過去のCDやDVDで勉強しておかないと、という段階にはいるのだが。振り返ると、エレカシの歴史は【ゴルゴ13】(さいとう・たかを:著)全巻制覇並みであり、体力、知力、財力を考えると頭をワシワシかきむしるしかないところであります。

~次回で終わります~
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