第26話 エレファントカシマシ 前編~ソロから箱を知る~
文字数 2,211文字
みなさんこんにちは。たとえ絵柄が植田まさし先生になろうとも、進撃の巨人におけるリヴァイ兵長は凛々しいだろう。たとえ絵柄が諫山創先生になろうとも、コボちゃんはやんちゃ坊主だろう。という観点から、宮本浩次沼にまんまとハマったところまで来ました。
*
2020年9月16日、宮本浩次先生によるニューシングル【P.S. I love you】が発売される。NHKのドラマ主題歌になっており、宮次(略称)は、子供の頃NHKの児童合唱団にいたこともあってか(第2話参照)、怒涛のNHK出演をしていきます。
それに引っ張られるかのように各テレビ局、ラジオ局でその姿や声を頻繁に確認できるようになる。
コロナ禍においてこんな元気なおじさん(同じ年齢の自分が言うのもなんだ)が暴れまわってくれると本当に楽しい。たとえ匍匐(ほふく)でも前進できる気がする。
私はといえば、10月からの長期仕事が決まり、生活の落ち着きを取り戻しつつありました。宮次沼も仕事に就くことも、時とか運とか縁のたまものだと思う次第。
さて、西暦2000年から20年もの間、音楽にお金を使っていなかったため、昨今のCDやDVDの【通常版】と【初回限定版】の違いに目が点になるわけですが、ここは初回限定版を購入します。こちらについてくるのは2020年6月12日にネット配信された、【宮本浩次バースデイコンサートat作業場】DVDです。1stソロアルバム【宮本、独歩。】の弾き語りになります。
コロナ禍において、ライブがすべて中止となるなか、【ネット配信】という形をとって行われたものだ。作業場に自動追跡カメラを25台設置して予測不能な宮次の動きに対応。カメラから消失不可能ライブ。
歌っている姿はCDとはまた違う【元気の塊】だし、アルバムの曲すべてを一括して弾き語るというのが大変な魅力で、わくわくしながらDVDを拝見したわけです。
*
【このDVDがなかったら、エレファントカシマシというバンドの沼には入らなかった】
このときは、チャート1位になって宮次本人も涙して喜んだカバーアルバム【ROMANCE】は発売されていないので、【赤いスイートピー】を歌ったところで、懐かしさと、男性が歌う聖子ちゃんもいいものだとしみじみさせていただいたわけだが、事件はその次に起こった。
いままでの流れとまったく別次元の歌をたて続けに2曲披露したのだ。
【なんですか、この楽曲は?】
宮次に関してはもう何が来ても大丈夫だと思っていたのに、まだ白目になる要素があったとは。
自虐ソングというか、世間を斜め上から眺めている。皮肉まみれの世界で、そこに愛とか希望とか頑張ろうぜは一切なく、ただ【現実の中の無力な自分】が切々と語られていた。1st、2nd、3rd……何度目だかわからないインパクトが飛び込んできたわけだ。
呆然となったところに宮次がボソッと。
【デビュー曲】
え、だれの?
歌ったのは【珍奇男】と【デーデ】で、デーデという曲がデビュー曲だというのだ。
【バンドかっ!】
脳天に雷が落ちた。ここにきて、宮本浩次は【エレファントカシマシ】のボーカルであることを認識させられたのだ。
【これは、たいへんなアーティストを見逃していたのではなかろうか】
ここから、一気に知能指数が上がった私は、気がおかしくなったかのように【YouTubeサーフィン】を始めることになる。
*
数ヵ月のエレカシYouTubeサーフィンでわかったことは。
【リヴァイ兵長とコボちゃんに巨人の星が乗っかってきた!】
エレファントカシマシというバンドのなかにいる宮本浩次は、昭和の超有名野球マンガ【巨人の星】の星一徹、飛雄馬父子を一人二役こなしていたのだ。
【バトルマンガ】と【4コママンガ】の中に【スポ根】が入り込んでくる。
エレカシの宮次は自ら大リーグボール養成ギブスを着用し、メンバー(石森氏、冨永氏、高緑氏)にノックをかまし、ちゃぶ台ひっくり返して、先頭に立って3人引き連れてうさぎ跳びしているという【殺気】をビンビンに伝えてくる(意味がわからない人はYouTubeで巨人の星見てください)。【ロック界の一番星を目指し】これでもかこれでもかという勢いでステージから【大リーグボール】を投げまくる生き様。
この殺気は過去にさかのぼるほどに際立っている印象で、デビュー前のコンテスト出場映像などは新人とは思えないド迫力であった。
木陰で涙を流す【明子姉ちゃん】は関係者なのか、エビバデ(エレカシファンの総称)なのか。
ただ「さぁ頑張ろうぜ」言っているバンドではなかったことははっきりしました。
【50過ぎた今知ってよかった】
いまだからこそ、若い頃のエレカシは【必死だったのだな】と思えるけれど。TM NETWORKやらチェッカーズやらにキャッキャしていた1990年前後の自分は決してハマらなかっただろう。乱暴に見えて怖い(同じ年齢の)男子にハートマークがつくわけがない。
時の流れは大切で、今のいままでエレカシをスルーしてきたことには意味があったのだろうと思えてくる。
*
全集中のYouTubeサーフィンの結果、【デーデ】【奴隷天国】【ガストロンジャー】が(仕事関係のカラオケでは歌えないほどの)名曲であることを確認したところで、2020年10月4日。日比谷野外音楽堂でのライブが生配信されることを知るのである。
~後編へ続く~
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2020年9月16日、宮本浩次先生によるニューシングル【P.S. I love you】が発売される。NHKのドラマ主題歌になっており、宮次(略称)は、子供の頃NHKの児童合唱団にいたこともあってか(第2話参照)、怒涛のNHK出演をしていきます。
それに引っ張られるかのように各テレビ局、ラジオ局でその姿や声を頻繁に確認できるようになる。
コロナ禍においてこんな元気なおじさん(同じ年齢の自分が言うのもなんだ)が暴れまわってくれると本当に楽しい。たとえ匍匐(ほふく)でも前進できる気がする。
私はといえば、10月からの長期仕事が決まり、生活の落ち着きを取り戻しつつありました。宮次沼も仕事に就くことも、時とか運とか縁のたまものだと思う次第。
さて、西暦2000年から20年もの間、音楽にお金を使っていなかったため、昨今のCDやDVDの【通常版】と【初回限定版】の違いに目が点になるわけですが、ここは初回限定版を購入します。こちらについてくるのは2020年6月12日にネット配信された、【宮本浩次バースデイコンサートat作業場】DVDです。1stソロアルバム【宮本、独歩。】の弾き語りになります。
コロナ禍において、ライブがすべて中止となるなか、【ネット配信】という形をとって行われたものだ。作業場に自動追跡カメラを25台設置して予測不能な宮次の動きに対応。カメラから消失不可能ライブ。
歌っている姿はCDとはまた違う【元気の塊】だし、アルバムの曲すべてを一括して弾き語るというのが大変な魅力で、わくわくしながらDVDを拝見したわけです。
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【このDVDがなかったら、エレファントカシマシというバンドの沼には入らなかった】
このときは、チャート1位になって宮次本人も涙して喜んだカバーアルバム【ROMANCE】は発売されていないので、【赤いスイートピー】を歌ったところで、懐かしさと、男性が歌う聖子ちゃんもいいものだとしみじみさせていただいたわけだが、事件はその次に起こった。
いままでの流れとまったく別次元の歌をたて続けに2曲披露したのだ。
【なんですか、この楽曲は?】
宮次に関してはもう何が来ても大丈夫だと思っていたのに、まだ白目になる要素があったとは。
自虐ソングというか、世間を斜め上から眺めている。皮肉まみれの世界で、そこに愛とか希望とか頑張ろうぜは一切なく、ただ【現実の中の無力な自分】が切々と語られていた。1st、2nd、3rd……何度目だかわからないインパクトが飛び込んできたわけだ。
呆然となったところに宮次がボソッと。
【デビュー曲】
え、だれの?
歌ったのは【珍奇男】と【デーデ】で、デーデという曲がデビュー曲だというのだ。
【バンドかっ!】
脳天に雷が落ちた。ここにきて、宮本浩次は【エレファントカシマシ】のボーカルであることを認識させられたのだ。
【これは、たいへんなアーティストを見逃していたのではなかろうか】
ここから、一気に知能指数が上がった私は、気がおかしくなったかのように【YouTubeサーフィン】を始めることになる。
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数ヵ月のエレカシYouTubeサーフィンでわかったことは。
【リヴァイ兵長とコボちゃんに巨人の星が乗っかってきた!】
エレファントカシマシというバンドのなかにいる宮本浩次は、昭和の超有名野球マンガ【巨人の星】の星一徹、飛雄馬父子を一人二役こなしていたのだ。
【バトルマンガ】と【4コママンガ】の中に【スポ根】が入り込んでくる。
エレカシの宮次は自ら大リーグボール養成ギブスを着用し、メンバー(石森氏、冨永氏、高緑氏)にノックをかまし、ちゃぶ台ひっくり返して、先頭に立って3人引き連れてうさぎ跳びしているという【殺気】をビンビンに伝えてくる(意味がわからない人はYouTubeで巨人の星見てください)。【ロック界の一番星を目指し】これでもかこれでもかという勢いでステージから【大リーグボール】を投げまくる生き様。
この殺気は過去にさかのぼるほどに際立っている印象で、デビュー前のコンテスト出場映像などは新人とは思えないド迫力であった。
木陰で涙を流す【明子姉ちゃん】は関係者なのか、エビバデ(エレカシファンの総称)なのか。
ただ「さぁ頑張ろうぜ」言っているバンドではなかったことははっきりしました。
【50過ぎた今知ってよかった】
いまだからこそ、若い頃のエレカシは【必死だったのだな】と思えるけれど。TM NETWORKやらチェッカーズやらにキャッキャしていた1990年前後の自分は決してハマらなかっただろう。乱暴に見えて怖い(同じ年齢の)男子にハートマークがつくわけがない。
時の流れは大切で、今のいままでエレカシをスルーしてきたことには意味があったのだろうと思えてくる。
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全集中のYouTubeサーフィンの結果、【デーデ】【奴隷天国】【ガストロンジャー】が(仕事関係のカラオケでは歌えないほどの)名曲であることを確認したところで、2020年10月4日。日比谷野外音楽堂でのライブが生配信されることを知るのである。
~後編へ続く~