第16話 ユニコーン~コネがあるということ~
文字数 2,251文字
みなさんこんにちは。こちらは1970年代を歌謡曲、1980年代からをJ-POPで過ごしてきた甘らかん(私)が、なにが起こって2020年の今更になって宮本浩次・エレカシ沼に入ることになったのかを語るエッセイになっています。
今回のアーティストさんは【ユニコーン】さんです。奥田民生さんが在籍しているバンドです。現在の推しであるエレカシさんとは同じソニーのオーディションに1986年に出場してそれぞれ受賞し、1986年に即デビューしています。ちなみにエレカシのデビューは1988年。
ユニコーンとエレカシ。同期生もいいところです。
それなのに、私はここでもエレファントカシマシというバンドの存在を知らずに、ユニコーンライブ三昧になるわけです。どんだけエレカシに縁がないのか。ここまでくると奇跡通り越して怪奇です。
*
ユニコーンさんは沼ったわけではないのですが、楽曲がとにかくユニークでしたので、毎回楽しく拝見させていただいていました。
ユニコーンの場合はライブ通いの理由が、楽曲に惚れたが先行ではありません。
【スタッフに知り合いがいたのです】
1stアルバム【BOOM】を聞いたのか聞かされたのか。ドハマりとまではいきませんでしたが、世界観が面白かったので知り合いの力でチケットとるのも苦労せず、1993年の一旦解散ライブまで通い詰めました。
人はこれを【コネ】という。その知り合いとは疎遠になりましたが、おかげでデビュー当時の奥田民生さんにも一瞬ですがお会いしたことがあります。
「こんにちは」「うぃ~す」ぐらいでしたが、ほぼほぼあのまんまです。
チケットは常に2枚用意していただいていたので、20代前半だった当時、契約社員で働いていた私は「バンド好きそうな人」と目星をつけた同僚を誘うことになるのですが、ここで再び【互いの推しのライブに付き合う】という交換条件が成立することになります。
学生の頃TM NETWORKのライブに付き合ってもらうかわりにチェッカーズのライブに参加した、の再来です。当時はまだそれも続いていましたし、本命の推しはTM NETWORKで変わりなかったです。
ユニコーンとの交換条件でだれのライブに行ったのかは次回語りたいと思います。
*
そうこうしているうちに、ユニコーンの知名度、人気が急上昇していく。
【働く男】【大迷惑】あたり、会社のカラオケでユニコーン歌うとそれはたいそう盛り上がったものです。
【シュガーボーイ】【人生は上々だ】などBLソングじゃないか、というのもノリで作ってしまう(ように見える)のがユニコーンならではの技術。
私は【Maybe Blue】が推し曲なのですが、知らない人からしたら「え、これユニコーンの曲なの?冗談でしょ」と言われそうです。この曲がシングルカットされてヒットしていたらユニコーンの運命はどうなっていただろうか。そんなことを考えることもあります。
奥田民生さんはこのテの楽曲はもう作る気ないのでしょうか。引き出しあるなら発表すればいいのに。
*
スタッフに知り合いがいただけで、決して本人と知り合いというわけではありません。バブル期だったこともあり、知り合いは気前が良かったのだと思います。
今思えばラッキーだったの一言です。こんなことがなかったらユニコーンのライブはおそらく行っていなかった。
さらに言うなら同僚の付き合いで別アーティストのライブに通うこともなかった。
さて、【スタッフに知り合いがいる】ということが会社に知られたとき、特に仲良くもない人から「ダメもとで聞いていい? 友達が大ファンで行きたがっているんだけど」と言われたときの私の脳内を想像して欲しい。
【お前ならまだしも友達って誰だよ⁉】
もちろん、丁重にお断りいたしました。
そういう人間関係の経験が出来たということもユニコーンのおかげというか、滅多にできない貴重なものでした。
*
現在、そのようなコネクションはどこにもありませんが、中途半端なコネはないほうが幸せであるということを学びました。
メンバーと知り合いというわけじゃないのに【私と仲良くなりたいのではなく、コネに近づきたい】という人間が本当にいるものなのだと、しかもスタッフと知り合いぐらいで寄ってくる人がいるということは、アーティスト本人となんかしらのつながりがある一般人はもっとたいへんな人間関係の中にいるのだろう。
迂闊に知り合いがいることをしゃべってしまった二十歳そこそこの自分にも責任はあるのですが、デビュー当時あそこまで売れるとは思っていなかった(大変失礼)ので「よろしくお願いします」という感じだったのですけれど。
今後そういうことはないでしょうが、そういうことは黙っていたほうがいいですね。
自分自身はなにも成し遂げていないただの一般人なのだから。
私はただのファンという立場がいちばん幸せだと思っています。
なんにもできていない自分が生きていくために、推しのみなさんにはたくさんの力をもらう。それが幸せです。ありがたやです。
そういえば、エレカシがEPICに契約切られたときでしょうか、宮次が焦ってヒット曲の研究をしまくり「奥田民生さんの曲(愛のために、だったか)も聞いた」とかなり口にしています。同じステージでデビュー決めたが故に気になる存在なのだな、と思う次第です。
ユニコーンさん。バンドは活動したりしなかったりのようですが、メンバー各位のご活躍をお祈りいたします。
~第16話 終わる~
今回のアーティストさんは【ユニコーン】さんです。奥田民生さんが在籍しているバンドです。現在の推しであるエレカシさんとは同じソニーのオーディションに1986年に出場してそれぞれ受賞し、1986年に即デビューしています。ちなみにエレカシのデビューは1988年。
ユニコーンとエレカシ。同期生もいいところです。
それなのに、私はここでもエレファントカシマシというバンドの存在を知らずに、ユニコーンライブ三昧になるわけです。どんだけエレカシに縁がないのか。ここまでくると奇跡通り越して怪奇です。
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ユニコーンさんは沼ったわけではないのですが、楽曲がとにかくユニークでしたので、毎回楽しく拝見させていただいていました。
ユニコーンの場合はライブ通いの理由が、楽曲に惚れたが先行ではありません。
【スタッフに知り合いがいたのです】
1stアルバム【BOOM】を聞いたのか聞かされたのか。ドハマりとまではいきませんでしたが、世界観が面白かったので知り合いの力でチケットとるのも苦労せず、1993年の一旦解散ライブまで通い詰めました。
人はこれを【コネ】という。その知り合いとは疎遠になりましたが、おかげでデビュー当時の奥田民生さんにも一瞬ですがお会いしたことがあります。
「こんにちは」「うぃ~す」ぐらいでしたが、ほぼほぼあのまんまです。
チケットは常に2枚用意していただいていたので、20代前半だった当時、契約社員で働いていた私は「バンド好きそうな人」と目星をつけた同僚を誘うことになるのですが、ここで再び【互いの推しのライブに付き合う】という交換条件が成立することになります。
学生の頃TM NETWORKのライブに付き合ってもらうかわりにチェッカーズのライブに参加した、の再来です。当時はまだそれも続いていましたし、本命の推しはTM NETWORKで変わりなかったです。
ユニコーンとの交換条件でだれのライブに行ったのかは次回語りたいと思います。
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そうこうしているうちに、ユニコーンの知名度、人気が急上昇していく。
【働く男】【大迷惑】あたり、会社のカラオケでユニコーン歌うとそれはたいそう盛り上がったものです。
【シュガーボーイ】【人生は上々だ】などBLソングじゃないか、というのもノリで作ってしまう(ように見える)のがユニコーンならではの技術。
私は【Maybe Blue】が推し曲なのですが、知らない人からしたら「え、これユニコーンの曲なの?冗談でしょ」と言われそうです。この曲がシングルカットされてヒットしていたらユニコーンの運命はどうなっていただろうか。そんなことを考えることもあります。
奥田民生さんはこのテの楽曲はもう作る気ないのでしょうか。引き出しあるなら発表すればいいのに。
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スタッフに知り合いがいただけで、決して本人と知り合いというわけではありません。バブル期だったこともあり、知り合いは気前が良かったのだと思います。
今思えばラッキーだったの一言です。こんなことがなかったらユニコーンのライブはおそらく行っていなかった。
さらに言うなら同僚の付き合いで別アーティストのライブに通うこともなかった。
さて、【スタッフに知り合いがいる】ということが会社に知られたとき、特に仲良くもない人から「ダメもとで聞いていい? 友達が大ファンで行きたがっているんだけど」と言われたときの私の脳内を想像して欲しい。
【お前ならまだしも友達って誰だよ⁉】
もちろん、丁重にお断りいたしました。
そういう人間関係の経験が出来たということもユニコーンのおかげというか、滅多にできない貴重なものでした。
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現在、そのようなコネクションはどこにもありませんが、中途半端なコネはないほうが幸せであるということを学びました。
メンバーと知り合いというわけじゃないのに【私と仲良くなりたいのではなく、コネに近づきたい】という人間が本当にいるものなのだと、しかもスタッフと知り合いぐらいで寄ってくる人がいるということは、アーティスト本人となんかしらのつながりがある一般人はもっとたいへんな人間関係の中にいるのだろう。
迂闊に知り合いがいることをしゃべってしまった二十歳そこそこの自分にも責任はあるのですが、デビュー当時あそこまで売れるとは思っていなかった(大変失礼)ので「よろしくお願いします」という感じだったのですけれど。
今後そういうことはないでしょうが、そういうことは黙っていたほうがいいですね。
自分自身はなにも成し遂げていないただの一般人なのだから。
私はただのファンという立場がいちばん幸せだと思っています。
なんにもできていない自分が生きていくために、推しのみなさんにはたくさんの力をもらう。それが幸せです。ありがたやです。
そういえば、エレカシがEPICに契約切られたときでしょうか、宮次が焦ってヒット曲の研究をしまくり「奥田民生さんの曲(愛のために、だったか)も聞いた」とかなり口にしています。同じステージでデビュー決めたが故に気になる存在なのだな、と思う次第です。
ユニコーンさん。バンドは活動したりしなかったりのようですが、メンバー各位のご活躍をお祈りいたします。
~第16話 終わる~