第4話 BILLY JOEL~ 1984年日本武道館~

文字数 2,420文字

 みなさんこんにちは。50過ぎて同学年の宮本浩次・エレカシ沼にたどりついた甘らかん(私)が今まで推してきたミュージシャンたちのお話をつらつらとしていきます。

 今回は【ビリージョエル】さんです。本気と書いてマジな洋楽推しミュージシャンです。
"From a Piano Man to an Innocent Man Tour" 1984年5月21日・22日 日本武道館



 エレカシのみなさんも高校生になって、私がエレカシにしびれたきっかけの曲【デーデ】(こちらデビュー曲)がすでに仕上がっていて、コンテストに出るなど音楽活動始めていた1982年あたりに、空前の洋楽ブームが到来します。

 帝王マイケルジャクソンがスリラーだすわ、ヴァンヘイレンはジャンプするわ、デュラン・デュランがプリーズプリーズテルミーナウと歌いだすわ、カルチャークラブがカーマカマカマと体を揺らすわ、シンディローパーがものすごい高いキーでハイスクールはダンステリアだわ。ジャーニーはセパレイトウェイズだわ。お主もワムやのう~だわ。数えたらきりがありません。

 あの頃の洋楽ミュージシャンを紹介していた【ベストヒットUSA】は小林克也さんの軽快なDJでたくさんの情報をくれました。東京都民にはテレビ神奈川の【ミュージックトマト】もたくさんの情報を仕入れることができる番組でした。

 当時、世界はスリラーでした。マイケルジャクソン黄金期。マイケル旋風が巻き起こっていました。私も好きでした、アルヤンコビック(違う)。

 たくさんの洋楽が選択できたなかで、私が本気でハマったのがビリージョエルさんでした。マイケルだヴァンヘイレンだと友人らがきゃいきゃいするなかで「私はビリーなんだよ」と主張しまくっていました。

 ビリージョエルの音楽が好きだ。
 高校で落ちこぼれて英単語の一つも覚えるのが面倒くさかったこの私が、当時はそらで【Uptown Girl】が歌えた。ほぼそらで歌える曲が結構あった(今は難しい)。アルバムはほぼ聞き込んだ。感性に合う音楽が見つかるという幸せ。
 数あるビリーの曲でベストを挙げるなら【I Go to Extremes】【This Night】。
【This Night】に至っては「ベートーベンがビリーの曲を盗作した!」と訳のわからない発言までかましたくらいでした。ベートーベンさん許してちょんまげ(反省の色はどこへ)。



 初めて行った1984年日本武道館が強烈すぎて「これ以上のパフォーマンスは見られないだろう」と勝手に思ったので、推しまくっている割にライブは2回しか見に行っていないという。

 当時高校3年生になっていて、人生2回目のライブにあたり(初めてはオフコースでやはり武道館)、初のぼっち参戦です。クソ真面目と今でも言われる私が高校の授業を途中でふけて向かった武道館。あの日のドキドキとワクワクは目を開けても瞑っても忘れられません。

「生ビリーだ、生、生。どうしよう、もうどうしよう」

 しかも、座席が良かった。良すぎて公演始まる前から卒倒しそうになった。
 アリーナの前から8列目くらいだったと思う。斜め右手にグランドピアノがあった。
 うろたえ様はお見せできないくらいで、そこのとこはぼっちでよかった。
 サントリーが主催だったので、ステージの両脇にでっかいペンギンの空気人形が置いてありました。松田聖子さんの「スイートメモリー」にのせたCMに出てきたペンギンです。時代はそのあたりということですね。



 人は、興奮が過ぎると動くことが出来なくなるという。
 はじめてのオフコースライブの時もそうでしたが。相手が強すぎると、やられるのを待つ雑魚キャラのようになってしまうのです。
 私の記憶が間違っていなければ、登場したビリーさんは超絶技巧で【プレリュード】を弾き始めた。

(速すぎて手元が見えない!)

 なんの技を繰り出されているのかわからない。見とれているうちに首が胴体から離れていた。という少年漫画のくだりのようだった。
 そこから【AnglyYoungMan】に入る、出だしから盛り上がるビリーさんです。

 彼はほぼピアノを弾きながら歌うのですが、優しいんですよね、ピアノの音色が。【TheStrenger】に至っては弾きながらあの口笛ですよ。本人が吹いているのですよ生で。かすれないし外れない。どこから音出している?(口笛です)。

【BigShot】だったか【Pressure】だったか、お約束でピアノの上に立ってバク宙をやろうとして、やるのか?やらないのか?あ、やっぱりやらない。とか、お茶目なところもよかったし。

 最大の事件は、ライブが盛り上がりすぎて興奮したビリーさんがステージの両脇にあったサントリーのペンギン空気人形を客席に投げつけたのですが。なんバウンドかして、私がキャッチしました。
 こっちに向かってくるサントリーのペンギンの姿は今でも鮮明に覚えています。両手でしっかり受け止めたのも感触残っています。
【明日、死兆星が見えてもかまわない】というくらい10代最大級の幸せだったのですが、いかんせんデカすぎて前が見えない。(これはっ、どうしたらええんじゃ!?)とあたふたしていたら、係員があわててやってきてペンギンは回収されました(笑)



 1949年5月9日生まれ。2020年時点で71歳。写真を見る限りすっかり恰幅も良くなられて、お元気ならよいのですが。ウィキペディア先生によると相当の苦労人で精神的にも病を抱えていたりするので、遠い日本の地で心配しています。どうか長生きして欲しい。

 ここ最近カラオケで歌っていなかったので忘れてんじゃなかろうかと、久しぶりに【I Go to Extremes】を入れてみましたが、普通に歌えたので安心しました。

 P.S. ところでネッスルは【チョコホット】を再販する気はありませんか?


~第4話 終わる~
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