第14話 宮本浩次~ROMANCEから昭和歌謡曲を語る5~
文字数 2,256文字
みなさんこんにちは。こちらは宮本浩次・エレカシさんと同学年の私が、50過ぎるまで見事なまでにエレカシの楽曲と出会うことがなく、ようやく2020年に沼った経緯を書いてきているのですが、第10話からアルバム【ROMANCE】から昭和歌謡曲を語る番外編をお送りしています。流行った当時目線で思い出を振り返りたいと思います。番外編は今回で終わりです。
●白いパラソル/松田聖子(1981年/作詞 松本隆・作曲 財津和夫)
宮次15歳。赤いスイートピーの1年前に発表された楽曲。
アルバム【ROMANCE】において同歌手2曲あるのは松田聖子さんだけ。宮次はかなりの聖子ちゃん派です。
【赤いスイートピー】と【白いパラソル】赤と白を意識したのか、松本隆さんの作詞で好きなものを選んだ結果か。
私としては財津和夫さん作曲だから無条件にうれしく思います。
チューリップの【青春の影】で涙腺ダムが崩壊した時代を過ごした者にとって、財津さんが松田聖子さんへの楽曲提供をはじめたことはかなりの事件でした。
フレッシュ、フレッシュ、フレーーーッシュ! 夏の扉も開いたが、財津さんのチューリップ以外の新鮮な一面も開いた。
乙女な聖子ちゃんに「お願いよ、正直な気持ちだけ聞かせて」なんて言われたら片手をピンと上げて「はい、大好きです!」と言ってしまいそうなものなのに、相手の男はじらすじらす。
聖子ちゃんをじらすとは何事だ! ともなるわけですが、じらされている聖子ちゃんの乙女心がさわやかな夏のビーチと相まって胸がキュンキュンと高鳴りました。
ちなみに、ROMANCE全12曲の中で私は白いパラソルがいちばん好きです。いちばん宮次の乙女を感じたからですが、下手な女性(私のことだ)より乙女メーターが振り切っている同年齢の男っていったい何なんだ? かえすがえすも己の女子力放棄が悲しくなる。
自分の中の乙女はどこへ行ったのか。夏の扉開けて白いパラソルもってチェリーブラッサム探しに出かけるべきなのかと頭を抱えてしまうのです。
●恋人がサンタクロース/松任谷由実(1980年/作詞・作曲 松任谷由実)
宮次14歳。クリスマスになったら恋人とわちゃわちゃしなくてはいけないのか? そんな伝統を作ってしまった曲である。
楽曲が人気になったとき、高級ホテルはカップルの予約で一杯になってどこも満室とか、年末が近づくとニュースにもなったものだ。バブルも相まって恋人たちは夢のようなひとときが過ごせたようです。
もちろん私は「ばくはつしろ!」と言っていた側です。
それは置いておいて。
この楽曲においては、主人公より【隣のおしゃれなお姉さん】という登場人物が気になって仕方がなかった。ユーミンさんだけにどうしても【スタジオジプリ風】になってしまうのだが。優しい笑顔を浮かべた女性だろうか。はつらつとした元気いっぱいのお姉さんだろうか。身長は?体重は?なんの仕事しているの?
隣のお姉さんは子供相手だから「クリスマスにサンタが来るの」と照れ隠しをしたわけだが、歌の主人公がお姉さんの言っていた意味が分かるようになったとき、ますますお姉さんが好きになったんじゃないだろうか。
そんな隣のお姉さんはどんな人だったのか。冬の夜空を見上げ隣のお姉さんに思いを馳せるのです。
ユーミンさんは恋心の魔術師です。これからもキラキラした恋や深海のような悲しい愛の終わりとか、突き詰め続けてほしいと思うのです。
●First Love/宇多田ヒカル(1999年/作詞・作曲 宇多田ヒカル)
宮次33歳。1983年生まれの宇多田ヒカルさんは1998年に15歳でデビューとウィキさんが言っている。【ROMANCE】におけるほかの収録曲が1980年前後にあって、その時代に生まれたことになります。
宇多田ヒカルさんの才能について、宮次は「中国旅行のため成田空港で一人サンドウィッチをつまんでいたところに【Automatic】が流れてきて涙が出そうになるくらいの衝撃を受けた」と語っている。
1999年のエレカシといえば、EPICソニー→ポニーキャニオン→東芝EMIに移籍したばかりで名曲【ガストロンジャー】が誕生している。ポニーキャニオン時代に【悲しみの果て】【今宵の月のように】を出しており、売れっ子の仲間入りは果たしていた。
脂がのってきたときに飛び込んできた15歳の宇多田ヒカル。あわててCD買うくらいの衝撃とはいったい。
ちなみに、TM NETWORKのというかTKで名をはせていた頃の小室哲哉さんも【Automatic】を聞いたとき「TK(自分)の時代は終わった」と語っています。
ほかにも衝撃を受けたベテランミュージシャンはいるだろう。宇多田ヒカルは漫画でいえば【すでに無敵の能力者】だ。少女漫画も恋愛よりバトル傾向になっていた。歌も漫画も世界観は変貌を遂げようとしていた。
1999年、20世紀の終わりに自分はなにをしていただろうか。360度首を回してみるがよく思い出せない。
宇多田ヒカルさんの襲来に「すごい15歳が出てきたなぁ」と思ったけれど、新しい乙女の形に、ついていけなくなっている。
ちゃんと覚えていかないと、迷子になってしまいますね。
昭和、平成、令和。新しいROMANCEはどんどん生まれてくる。
いくつになってもちゃんと【新しいもの】を受け止められる心構えをしないと、と襟を正すのです。
~ROMANCEから昭和歌謡曲を語る 終わる~
15話から通常に戻ります。
●白いパラソル/松田聖子(1981年/作詞 松本隆・作曲 財津和夫)
宮次15歳。赤いスイートピーの1年前に発表された楽曲。
アルバム【ROMANCE】において同歌手2曲あるのは松田聖子さんだけ。宮次はかなりの聖子ちゃん派です。
【赤いスイートピー】と【白いパラソル】赤と白を意識したのか、松本隆さんの作詞で好きなものを選んだ結果か。
私としては財津和夫さん作曲だから無条件にうれしく思います。
チューリップの【青春の影】で涙腺ダムが崩壊した時代を過ごした者にとって、財津さんが松田聖子さんへの楽曲提供をはじめたことはかなりの事件でした。
フレッシュ、フレッシュ、フレーーーッシュ! 夏の扉も開いたが、財津さんのチューリップ以外の新鮮な一面も開いた。
乙女な聖子ちゃんに「お願いよ、正直な気持ちだけ聞かせて」なんて言われたら片手をピンと上げて「はい、大好きです!」と言ってしまいそうなものなのに、相手の男はじらすじらす。
聖子ちゃんをじらすとは何事だ! ともなるわけですが、じらされている聖子ちゃんの乙女心がさわやかな夏のビーチと相まって胸がキュンキュンと高鳴りました。
ちなみに、ROMANCE全12曲の中で私は白いパラソルがいちばん好きです。いちばん宮次の乙女を感じたからですが、下手な女性(私のことだ)より乙女メーターが振り切っている同年齢の男っていったい何なんだ? かえすがえすも己の女子力放棄が悲しくなる。
自分の中の乙女はどこへ行ったのか。夏の扉開けて白いパラソルもってチェリーブラッサム探しに出かけるべきなのかと頭を抱えてしまうのです。
●恋人がサンタクロース/松任谷由実(1980年/作詞・作曲 松任谷由実)
宮次14歳。クリスマスになったら恋人とわちゃわちゃしなくてはいけないのか? そんな伝統を作ってしまった曲である。
楽曲が人気になったとき、高級ホテルはカップルの予約で一杯になってどこも満室とか、年末が近づくとニュースにもなったものだ。バブルも相まって恋人たちは夢のようなひとときが過ごせたようです。
もちろん私は「ばくはつしろ!」と言っていた側です。
それは置いておいて。
この楽曲においては、主人公より【隣のおしゃれなお姉さん】という登場人物が気になって仕方がなかった。ユーミンさんだけにどうしても【スタジオジプリ風】になってしまうのだが。優しい笑顔を浮かべた女性だろうか。はつらつとした元気いっぱいのお姉さんだろうか。身長は?体重は?なんの仕事しているの?
隣のお姉さんは子供相手だから「クリスマスにサンタが来るの」と照れ隠しをしたわけだが、歌の主人公がお姉さんの言っていた意味が分かるようになったとき、ますますお姉さんが好きになったんじゃないだろうか。
そんな隣のお姉さんはどんな人だったのか。冬の夜空を見上げ隣のお姉さんに思いを馳せるのです。
ユーミンさんは恋心の魔術師です。これからもキラキラした恋や深海のような悲しい愛の終わりとか、突き詰め続けてほしいと思うのです。
●First Love/宇多田ヒカル(1999年/作詞・作曲 宇多田ヒカル)
宮次33歳。1983年生まれの宇多田ヒカルさんは1998年に15歳でデビューとウィキさんが言っている。【ROMANCE】におけるほかの収録曲が1980年前後にあって、その時代に生まれたことになります。
宇多田ヒカルさんの才能について、宮次は「中国旅行のため成田空港で一人サンドウィッチをつまんでいたところに【Automatic】が流れてきて涙が出そうになるくらいの衝撃を受けた」と語っている。
1999年のエレカシといえば、EPICソニー→ポニーキャニオン→東芝EMIに移籍したばかりで名曲【ガストロンジャー】が誕生している。ポニーキャニオン時代に【悲しみの果て】【今宵の月のように】を出しており、売れっ子の仲間入りは果たしていた。
脂がのってきたときに飛び込んできた15歳の宇多田ヒカル。あわててCD買うくらいの衝撃とはいったい。
ちなみに、TM NETWORKのというかTKで名をはせていた頃の小室哲哉さんも【Automatic】を聞いたとき「TK(自分)の時代は終わった」と語っています。
ほかにも衝撃を受けたベテランミュージシャンはいるだろう。宇多田ヒカルは漫画でいえば【すでに無敵の能力者】だ。少女漫画も恋愛よりバトル傾向になっていた。歌も漫画も世界観は変貌を遂げようとしていた。
1999年、20世紀の終わりに自分はなにをしていただろうか。360度首を回してみるがよく思い出せない。
宇多田ヒカルさんの襲来に「すごい15歳が出てきたなぁ」と思ったけれど、新しい乙女の形に、ついていけなくなっている。
ちゃんと覚えていかないと、迷子になってしまいますね。
昭和、平成、令和。新しいROMANCEはどんどん生まれてくる。
いくつになってもちゃんと【新しいもの】を受け止められる心構えをしないと、と襟を正すのです。
~ROMANCEから昭和歌謡曲を語る 終わる~
15話から通常に戻ります。