お休みなさい
文字数 762文字
「ホッホー! ホー! ホー!」
フィリスはもう一度じっと聞きました。
「ホッホー! ホー! ホー! ホー! ホー!」
「ああ、そこにいたのね!」フィリスは笑いました。
フクロウは陰の中を無言で移動し、小さな女の子のすぐ近くにとまりました。フクロウの大きな丸い目と、黄色いクチバシが星明かりを受けて光っています。
「あなたの声が聞こえたわ!」フィリスは言いました。でも最初はどこにいるのかわからなかったの。あなたのところに行くまでに、十本以上の木をじっと見たわ」
「トゥーフー? トゥーフーフーーウーウー?」フクロウは尋ねました。
フィリスはまた笑いました。フクロウは賢明にまばたきをしています。
「わたしはあーしたに、おーうちへ帰るのよ」フィリスは言いました。「来週から学校が始まるの。もしかしたらいつか、わたしはあなたのように賢くなるかもね、フクロウさん」
フクロウは大きな目をまばたかせるばかりです。
「でもきっと、賢そうに見えることは絶対にないわ」フィリスは礼儀正しく付け加えました。
「フーフーフーウー?」フクロウは鳴き声をあげ、眠たそうにまばたきをしました。
「お話してくれないのなら、私はすぐにでもあなたにお休みなさいを言わなくちゃね」フィリスは言いました。
「
「
「パパ」数分後、フィリスは言いました。「パパ、ホーホー鳴くフクロウさんは、わたしと話をしてくれなかったわ」
「賢いね、賢いフクロウだ!」パパはそう言って、新聞越しにフィリスに向かって微笑みかけました。
訳者補足:フクロウの鳴き声は英語では「フー」と表現します。「誰?」を意味する「フー」と同じ音なので、英語の作品ではときどきこのネタが見られます。