第22話 第4回打ち合わせを始めましょ!

文字数 1,694文字

※ご注意 本編のネタバレがございます。

コチラの▶︎作品と合わせて

お楽しみいただけますと幸いです。

お待たせしやした。というわけで、泉さんの赤ペンを入れてもらったものを修正して全部アップ(河北さん・泉さん赤字を受け修正ver)しました。
泉さんの赤字は、連作短編だってことで重複してるところとか、分かりづらいところを指摘してくれていたので、かなり削ることができました。
書いてる側はわかるよねって思ってるところとか、逆に親切で入れてるけどくどくなってしまうところとかありますもんね。
とにもかくにも、修正おつかれさまでした!
俺も読んだけど、相当面白くなったよ!
じゃあ、入稿しちゃいましょうか!
…うーん
やったー! 入稿!
へむーん
どうしたんですか、佐渡島さん、奥歯に小骨が挟まってピンセットで四苦八苦したけど取れなくて、えええ? 歯医者いかないとだめええ? みたいな顔をして。
よくなった、よくなったけど、まだ直してもらいたいところがあるんだよねえ。
はいな、どのシーンですか?
うーん、全部?
(ざわ)
(ざわざわ)
前部ってことですね。つまり前半?
うーんとね、全体の全に、部品の部で前部。全ての部品ってことだね。全部。
言ったぜ! 全部って!
と、驚きはしましたけど、修正してよくすることには全然問題ないんで、どういうことか教えてもらってもよかですか?
前にも言ったけど、如月くんってなんてこともないシーンも面白く書けるし、楽しく読めるんだよね。
ああ、「如月くんって、小説の中で特に何か起きてるわけじゃないのに面白い文章を書くじゃない?」って言われてみんなで爆笑しましたね。
サービス精神に溢れてて、それは良いことだと思うんだけど、バランスが取れてないんだよね。
重要なシーンと、そうじゃないシーンの差が文章で出てないかなあ。
例えば、第一話「クビキリ」に出て来る、同級生の瀬川と担任の柳井が、どのくらい重要なキャラなのか、判断に迷っちゃうんだよね。ただのモブなのか、主要なキャラなのか? キャラの格がわからない。
あー
あー
あー
キャラの強弱が出ないと、森巣や平とも同じになっちゃうし、「こ、こいつが犯人だったのか!」っていう驚きにも繋がらないかなあ。
このことが、キャラだけじゃなくて他の文章にも言えるんだよね。楽しい、楽しい、楽しい、で転がると、何が重要なんだっけ? ってなる。
あー、自分が読書してても、僕は今、何を読まされるんだ? ってなると、面白いのかこれ? って疑問になりますよね。
そうそう、そういうこと。あと、これは如月くんが良い読者だからだと思うんだけど、書いたものを読んでくれると思ってるよね。謎があれば解く、とか。
良い読者かはわからないですけど、まあ、謎があれば解くつもりで読みますね。
まあ、だいたい解けないんですけど。
誤解を恐れずに言うと、読者ってそんなに読んでくれないんだよね。謎があっても別に真剣に解いてくれない。ミステリーでも、「自分はこう思う」「やっぱりな」って確かめる感じだと思うんだよ。
今の原稿は、謎があってヒントも出してるから読んでくれると思ってるかもしれないけど、文章がフラットだから、強い目印になってないんじゃないかな。
重要なシーンとそうじゃないシーンを書き分けて、「これはヒントですよ!」っていう情報は重要に見せて、読者をもっと誘導してあげる必要があると思う。
あっさりバレるとつまらないんじゃないか、だからヒントも一応書いておくけどしれっと入れておく、みたいな感じにしようと思ってました。
伏線は、如月くん得意の楽しい会話の中でしれっと入れてあげると記憶にも残ると思うよ!
そうですね。楽しい会話って結構記憶に残りますもんね。
重要なシーンとそうじゃないシーン、佐渡島さんのご指摘の通りですねー!

私もそれ、とても腑に落ちました。それ読みながら感じてました。

みんなも同じ意見みたいだね。
如月くんが、次のステージに上がったと原稿を読んで思ったから、大事なことを言うね。
重要なこと?
そして佐渡島さんが、ゆっくりと口を開いた。
如月を次のステージに上げるための重要なこと、とは!?
…とは!?
とは!?
つづく
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登場人物紹介

如月新一

第1回リデビュー小説賞を受賞した小説家。

→『あくまでも探偵は』が2021年1月に発売。同月続刊制作決定。

しかし、一年が経った今もまだ、2巻は出ていない。

果たして書籍化というゴールに、再び辿り着けるのか!?


三日三晩に渡る河北さんとの決闘に勝ち、勝利、そしてついに…

講談社タイガ編集長に就任。

読んだら熱い感想を伝えて導く、頼れる編集者。

コマンド「おだてる」を駆使して、如月の筆を早める。

会うと男なので、ご用心。

河北

小説現代編集長(元講談社タイガ編集長)

第1回リデビュー小説賞で熱い意気込みをかけている。この物語はこういうことをしたかったのでは? と丁寧に整理してくれる。

小説 Don't dead,never die.Believe.

今は小説現代という戦場で戦っている。たまにポケットからオルゴールを取り出し、チーム「あく探」のことを思い出している。

佐渡島

コルク代表。

如月がコルクにいた頃の担当。

短く的確な言葉で、如月の迷ってるところを指摘する。

如月ポンコツモードを見抜き、迷走するとすぐに打ち合わせを提案してくれる。

ちなみにコルクとは出版エージェントだが、如月はいつから自分がコルク所属になったかを知らない。

2021年に如月がコルクを脱退。今までありがとうございました。

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