第30話 発表をしましょ!

文字数 2,020文字

発売してもうすぐ2週間か。原稿も書いた、NOVEL DAYSで宣伝もした。
もうやるこたあ、やった。そろそろ、時が来たな。
行くか、ツシマに。
如月さん、大変です! 今すぐ来てください!!

泉さん! ま、まさか護国寺にまで蒙古が!?
蒙古?
野盗の方ですか!
何の話をしてるんですか。いいから、バーチャル打合せ室に来てください!

如月は、叔父上との誓いを思い出しながら、シールドをジャックインして電脳打合せ室の扉を叩いた。
泉さん、何事ですか? 河北さんが無料公開してる『クッキングパパ』をずっと読んでて、仕事をしていないとかそういう理由で僕を呼び出されても困りますよ。
『クッパパ』はおもしろいですけども! 違いますよ!!
『はじめの一歩』の方でしたか。失礼しました。
違いますよ!! ちゃんとみなさんの原稿を読んでがんばってます!

サボってるって勘違いされちゃうからやめて

それで、急用があるようですが、何事ですか?
こう見えて僕は、本が出たばっかりだから、久しぶりにだらだらしようかなと思っているところなんですよ!
如月さん、大事なお知らせがあります。
あ、マジな顔だ。はい、なんでしょうか。
実は…
『あくまでも探偵は』

重版が決定いたしました!!!

私が言おうと思ってたのに!!

でも如月さん! それだけじゃないんですよ!

実は…

シリーズ化も決定です!!!
おまえー!!!
…………。
如月さん?
リアクションが薄いですね。
ジュウハン、シリーズカ
こ、コレがナミダ

…こ、コレが、ニンゲンのココロ

あ、キャパオーバーしてる!!
しまった! 如月さんはポンコツだったのを忘れていた!
三分後
あの、面白くないことを言いますけど。
素直にとても嬉しいです。本当に泣いちゃいました。
みんなもう忘れてると思うんですけど、『あくまでも探偵は』はリデビュー賞受賞作なので。
デビュー作を出しても、「続刊は厳しいです」で終わってしまいましたし、その後に色々な出版社の公募で賞をいただきましたけど、書籍の話になかなか繋がらず…
デビューしてからが大変、作家であり続けることが大変、という話に打ちのめされていたので。
こういうご時世に、書いた小説を読者の方に読んでいただけて、お楽しみいただけて、そして必要としていただけることが、何よりも幸せです。
今、小説界は未曾有の危機に陥っています。小説が売れない。読まれない。
小説は終わった、オールドメディアだ、と言われることもあります。
本当にそうでしょうか。小説に未来はないのでしょうか。
そう宣言したリデビュー小説賞でしたけど、現実はより過酷な状況になってしまいましたね。
そんな中、『あくまでも探偵は』を無事に出すことができて、そして楽しんでいただけて、私としても本当にやってよかった、と思えました。
エゴサの鬼なので、twitter、アマゾンレビュー、読書メーター、個人ブログ、いろいろ見ているのですが、おおむねあたたかいご感想で、すごくほっとしてますし、活力をもらっています。
(怖っ)

行きつけの書店さんや、訪れたことのない書店さんも、私の本を置いてくださったり、プッシュしてくださって、本当にありがたい限りですよ。やー、本当に嬉しいです!

よかったよかった
よかったよかった
あの、二人とも、感謝の気持ちをそれで終わらせるつもりですか?
え?
ありがとう、しなきゃ。
してるじゃないですか、さっきからずっと。
ご購入してくださった方に、ありがとうございますをしないと!!

というわけで、『あくまでも探偵は』重版&シリーズ化決定緊急企画!!

twitterキャンペーン開催!!!

【リモートサイン会開催】

『あくまでも探偵は』をご購入いただいた書籍のタイトルページの写メor電子書籍をスクショし、#あくまでも探偵はリモートサイン と宛名名、と共にtwitterでご投稿いただきましたら、如月新一が宛名入りサインをデジタルで入れて、リプライいたします! 下記画像をご確認の上、是非ご参加下さい!

キャンペーンは21年1月31日(日)いっぱいまでです! まだご購入いただいていない方も、この機会に是非『あくまでも探偵は』をお楽しみいただけますと嬉しいです…!

こういうご時世なのですが、しっかりと感謝の気持ちを伝えていきたいですね。
ですねぇ。

では、僕はやることをやったので、ツシマに。

如月さん?何してるんですか?
シリーズ化決定って言いましたよね?
待ってくれている方がいるんですから、早く2巻を書いてください!!!
泉さん、ずいぶん人を焚きつけるのが上手いじゃないですか。
今度はもたもたしないで、早く出せるようにがんばりますか。
応援していだているみなさまのおかげで、重版&シリーズ化が決定いたしました。

誠にありがとうございます。

これからも、如月はがんばりますので、応援していただけますと嬉しいです。

『あくまでも探偵は』(講談社タイガ)

好評発売中です!

書店さまや各ストアでお買い求めいただけますと幸いです…!

つづく?
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登場人物紹介

如月新一

第1回リデビュー小説賞を受賞した小説家。

→『あくまでも探偵は』が2021年1月に発売。同月続刊制作決定。

しかし、一年が経った今もまだ、2巻は出ていない。

果たして書籍化というゴールに、再び辿り着けるのか!?


三日三晩に渡る河北さんとの決闘に勝ち、勝利、そしてついに…

講談社タイガ編集長に就任。

読んだら熱い感想を伝えて導く、頼れる編集者。

コマンド「おだてる」を駆使して、如月の筆を早める。

会うと男なので、ご用心。

河北

小説現代編集長(元講談社タイガ編集長)

第1回リデビュー小説賞で熱い意気込みをかけている。この物語はこういうことをしたかったのでは? と丁寧に整理してくれる。

小説 Don't dead,never die.Believe.

今は小説現代という戦場で戦っている。たまにポケットからオルゴールを取り出し、チーム「あく探」のことを思い出している。

佐渡島

コルク代表。

如月がコルクにいた頃の担当。

短く的確な言葉で、如月の迷ってるところを指摘する。

如月ポンコツモードを見抜き、迷走するとすぐに打ち合わせを提案してくれる。

ちなみにコルクとは出版エージェントだが、如月はいつから自分がコルク所属になったかを知らない。

2021年に如月がコルクを脱退。今までありがとうございました。

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