第13話 4話目プロットを作りましょ!

文字数 2,214文字

※ご注意 本編のネタバレがございます。

コチラの▶︎作品と合わせて

お楽しみいただけますと幸いです。

4話目のプロット作るかあ。

とりあえず、何から考えようか。

さーて、何から考えるかなあ。俺、ミステリ考えるの毎回苦労するんだよ。
ふふふふ、悩んでいるようだな。
お、お前は!!
俺はお前の頭の中の俺だ。
え、えっと、俺なの? お前なの?
ああ、ごめん。お前に難しいこと言ってもわかんねえんだった。

イマジナリー俺だ。

ああ、イマジナリー俺か。ならわかったぜ。
1日ずっとノート開いて机に突っ伏してるけど、寝てるのか?
4話目を考えてんだよ! 見りゃわかんだろ!!
ふふふふ。

4話目、読むものみんなが感動するプロットが欲しいか?

!?
ほ、欲しい!!

くれ!! 友達の寿命を10年やるからくれ!!

ふふふ、そうか、欲しいか。
……。
……。
くれねえのかよ!
あったらあげてるわ。俺はお前だからな。
じゃあ、何から考えるか、一緒に考えてくれよ。
了解ウォッチ。
お前は誰が殺したとか、どうやって殺したかにあんまり興味がないよな。
あー、そうなんだよ。へえこいつが犯人か、手の込んだ仕掛けだな、って思って終わりなんだよ。
(お前、なんでミステリ書いてるんだ?)
だが、そんなお前にも好きな謎はあるだろ。
あー、行動の謎と現象の謎だったら好きなんだよ。
あの人はどうしてあんなことをしたんだろう?

っつうのと

あれは一体なんだったんだろう?

っつうのが好き。

これだったら、読み終わった後に感動できると思うんだよ。
だったら今回もそれでいこう。慣れないことはするんじゃあない。
了解ウォッチ。
今回は、巻き込まれている不思議なことにしよう。

ポルポの試験とか赤毛組合系の。

俺はいいと思うぞ。

だって俺はお前だからな。

ラスボス、滑川のキャラがぶれてるからそれも直そうではないか。
半グレのボスってのはやめたいんだよなあ。頭脳派だから、犯罪プランナーって感じかしら。
1話目のクビキリのギロチンの持ち主だったり、2話目の強盗ヤギの計画を立てたり、3話目の売春斡旋にも関わってるもんな。

犯罪行為をすることとか、他人を食い物にするものであっても気にしてなくて、計画が実現されたら自分は優れているっていう快感と肯定感を覚える。そういうタイプだな。

ってなると、4話目の滑川は何をするだろうな? 1〜3話目で森巣に仕事を潰されてるけど、黙ってると思うか?

自分の評判が悪くなるし、自分より頭が良いんじゃないか? っていう相手と勝負したいだろうな。勝負っつうか、勝って満足したいはず。

森巣をどうにかしたい。2話目の目撃情報から、森巣の身元は調べればわかるし、仕掛けてくるか。

いいじゃん、すげえ滑川っぽいわ。

滑川の計画はどんなよ。

容疑者手配サービスってのはどうだろう?

窃盗や殺人などの犯罪行為に際し、依頼人の代わりに容疑者を用意する。

依頼人は、自分の代わりに逮捕される容疑者が欲しい。滑川は前科がある者や疑われやすくて操り易い人間を誘導し、事件が起こる前に人前で被害者と言い合いをさせて印象に残したり、アリバイを証明できないよう準備したり、可能であれば証拠になるようなものに指紋をつけさせて現場に残す。


結構いい感じだけど、どうやって思いついたの俺。
滑川はどうやったら満足するかなあ、と思って。そうなると森巣が負けた! ってなる時、ムショにぶち込まれたり、犯人を追ってるつもりが犯人になってたらいいかなって。
どういうことが起きるか、は決まったな。

じゃあ、構成をまとめちまおう。

【構成】

滑川が平に会いに来る、依頼もしくは指示を出される(2話目でカフェのオーナーが、森巣と平を見ている。制服を着ていたし森巣は目立つ為、通学路で張り込めばわかる)。滑川は、報酬も払うし引き受けてくれたら、平と森巣のことは見逃すと言う。

森巣に連絡をし、二人で滑川から依頼を受けた調査・謎解きをすることに。滑川からの謎は解けないが、森巣が別のことに気付く。自分たちは滑川に利用されている!

滑川の計画は二人を騙して誘導し、容疑者に仕立てあげること(目撃情報、アリバイの有無、状況証拠など。滑川がリハーサルとしてやっていた事件も情報として入れておく)。

平は警察に相談をしようと言うが、森巣は滑川を出し抜こうと言う。森巣は滑川に負けたく無いだけなのではないか、ついていけないと平は離脱。平は家に戻り、百万円を手にして警察に行く(百万があれば、自分の言ってることがあながち嘘とは思われないはず)。

が、途中で考えを改める。

平は警察に相談をしようと言うが、森巣は滑川を出し抜こうと言う。森巣は滑川に負けたく無いだけなのではないか、ついていけないと平は離脱。平は家に戻り、百万円を手にして警察に行く(百万があれば、自分の言ってることがあながち嘘とは思われないはず)。

が、途中で考えを改める。

平、滑川に会いに行く。森巣もやって来る(滑川は、森巣は保身やみんなの敵になって生きる覚悟はないと予想していたが覆す)。森巣が滑川をぶん殴る。

平が森巣に百万を返そうとするが、交通費で使ったと話す。森巣は平がこっち側に来たと思って嬉しい。

滑川を倒したことで、森巣と平の活動が始まる。悪名が歩き始める・道を拓き始める。

こんな感じかな?

ありがとう! お前のおかげで助かったぜ!

ふふふ、俺はお前が困っていたら、何度でも現れる。
心強いな!
じゃあ、プロットを編集さんたちに送るんだ!
了解ウォッチ。
つづく
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登場人物紹介

如月新一

第1回リデビュー小説賞を受賞した小説家。

→『あくまでも探偵は』が2021年1月に発売。同月続刊制作決定。

しかし、一年が経った今もまだ、2巻は出ていない。

果たして書籍化というゴールに、再び辿り着けるのか!?


三日三晩に渡る河北さんとの決闘に勝ち、勝利、そしてついに…

講談社タイガ編集長に就任。

読んだら熱い感想を伝えて導く、頼れる編集者。

コマンド「おだてる」を駆使して、如月の筆を早める。

会うと男なので、ご用心。

河北

小説現代編集長(元講談社タイガ編集長)

第1回リデビュー小説賞で熱い意気込みをかけている。この物語はこういうことをしたかったのでは? と丁寧に整理してくれる。

小説 Don't dead,never die.Believe.

今は小説現代という戦場で戦っている。たまにポケットからオルゴールを取り出し、チーム「あく探」のことを思い出している。

佐渡島

コルク代表。

如月がコルクにいた頃の担当。

短く的確な言葉で、如月の迷ってるところを指摘する。

如月ポンコツモードを見抜き、迷走するとすぐに打ち合わせを提案してくれる。

ちなみにコルクとは出版エージェントだが、如月はいつから自分がコルク所属になったかを知らない。

2021年に如月がコルクを脱退。今までありがとうございました。

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