第3話 続プロットを直しましょ!

文字数 2,147文字

ラスボスが悪いってわけじゃないですよ。

一巻を読み終わったあとの爽快感は欲しいですしね。簡単に言うと、ラストで「驚かす」「すっきりさせる」「謎解きがある」等のカタルシスをどこに置くか、も考えた方が良いですよ!

にゃるほどにゃるほど。

じゃあキャラの距離感の変化と、四話目、最終話どうするか考えますね。

平と森巣は、中身のタイプは全然正反対ですが 平は凡人としての善性から正義を行い、 森巣は悪人としての自己満足から悪を挫く、ポリシーが違ってもアウトプットが同じなところが面白いのかもしれないですね。
だからこそ森巣は平に惹かれて、でも、どこかでこいつも裏切るんじゃないか、とか不安なのかもしれませんね。 「こいつはどこまでついてきてくれるんだろう。どうせいつか裏切るんじゃないか。その日まで俺は心を許さずに見てやるぞ」とか思ってたり。
でも、全然裏切らずに、弱っちいのに善性を保つ平にこっそり憧れていく。 物語的には、平→森巣の愛情が目立つんですが、本当は森巣→平に矢印が向かってるんじゃないですかね。

そんな二人の青春、感情の揺れ動きが描けると、キャラとしてすごく魅力的になるんじゃないでしょうか!

おおお! 確かに!!

平と森巣の関係を考えると、お互いのどこに魅力を感じてるのかは地固めしたいですね。

悩みポイントなのですが、まず、“他の人は気づいていない美点”っていうのはなんだろうなあ、というところです(第三者であって、読者は気付いてても良い?)。

『アイシールド21』のセナが、パシリとして脚力を身につけた感じで、平は弱者として周囲をうかがって来たので、人よりも色々なことに気づく、と(あくまで情報収集で、推理という段階まではいけないのですが)。

今回追加されたモリスのルールに、モリスにとっての「平の美点」の鍵があるのではないか、と感じました。

このルールを見て妄想したのは「モリスは自分の『弱い者いじめを許せない』という感情がなぜ湧いてくるのか分かっていないのではないか?」というものです。

頭も良く実行力もあり、カリスマ性をもった森巣! 実はその裏に「自分がなぜこんなことをしたいのか、本当は分かっていない」というウィークポイントを持っていた!

そこに、存在感も実行力もないのに、自分の信念(困っている人を助けたい)の理由を完全に分かっている平が現れる!

そこで、モリスは気づくのです!

こいつと一緒にいれば、俺は俺のことが理解できるかもしれない…と!

は、はい。

(泉さんの妄想が炸裂してるぜ)

(でも、妄想を共有したりして、キャラの濃度を濃くしていけるのはありがたいんだよな)

はぁ、はぁ、はぁ

は、ついいつもの癖が! すいません!

いえ、ありがとうございます!

僕も自分の家でそんな感じですから!!

つまりですね、能力ではなく内面こそが、モリスに欠けているものだったのではないでしょうか。

逆に、平は自分の信念を実行し続けるモリスと一緒にいれば成長できます。

これが、二人にとっての「他の人ではいけない」理由になりえるのではないか、と考えています。

(うんうん、泉の言う通り)

さらに妄想をふくらませるとですね!

平と行動するうちに、森巣は自分の心が正義ではなく悪に近いものだと気付き始めるわけですよ!

もっとも善良な平、彼と接することで、これまでは(自分を理解していないがために)抑制されていた森巣の悪の本能が目覚める!!!

そんな、悲劇的な展開が起こるわけですわ!!

カァー!!

うん、一回落ち着こうか

はっ、僕は一体、何を…!?

(泉さんを安易に女体化キャラにしちまったけど、妄想炸裂キャラになってキャラが立っちまったな。河北さんの方を、女体化すればよかったか)
運命の二人感については、いきなりではなく各話で段階を踏んで距離感を縮め、1冊目では「ただの同級生」からの関係からは前進させたいですね。

まず森巣が平の能力を見出し、活用しようとする!

平は、他人に認められたことに嬉しさを覚えるが、森巣の本性に困惑もする!

人助けをしたい、役に立ちたいと思いつつも、森巣についていっていいのか葛藤する!

森巣は平を他の人間とは違い、他人の為に行動をできる人間だと一目置く!

だが偽善にも思える行為にイラつきもするし、こちら側に来いよと誘惑もする!

森巣は自分の本性を知ってもなお、他人の為にと行動を共にする平を「初めての友人にしたい」と思うようになる、という気持ち!!

(あかん、如月もあかん)

とりあえず、キャラについてはこの辺にして…最終話の閉じ方については、まだまだ悩みそうですね。

最終話……あの、リアリティって問題を考えると、最終話って…

河北さん、如月が気付きましたよ。

リアリティについて理解したようだな。

受賞verの最終話 これだけ、映画版コナンみたいな感じでリアリティのレベルが違うんですよね。なので、これはボツにして新しい話を考えましょう!
ですよねー、なんか浮いちゃってますもんね。場所当て自体は嫌いじゃないんですけど、今ある箱の中に無理やり二人の関係物語を入れるのは難しいですし、最終話は完全新作書き下ろしにします!

俺もそれがいいと思うよ! 楽しみにしてる!

じゃあ、1話目の原稿修正をやってみますね!

(河北さんも小学館の漫画で例えてたな)

つづく
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登場人物紹介

如月新一

第1回リデビュー小説賞を受賞した小説家。

→『あくまでも探偵は』が2021年1月に発売。同月続刊制作決定。

しかし、一年が経った今もまだ、2巻は出ていない。

果たして書籍化というゴールに、再び辿り着けるのか!?


三日三晩に渡る河北さんとの決闘に勝ち、勝利、そしてついに…

講談社タイガ編集長に就任。

読んだら熱い感想を伝えて導く、頼れる編集者。

コマンド「おだてる」を駆使して、如月の筆を早める。

会うと男なので、ご用心。

河北

小説現代編集長(元講談社タイガ編集長)

第1回リデビュー小説賞で熱い意気込みをかけている。この物語はこういうことをしたかったのでは? と丁寧に整理してくれる。

小説 Don't dead,never die.Believe.

今は小説現代という戦場で戦っている。たまにポケットからオルゴールを取り出し、チーム「あく探」のことを思い出している。

佐渡島

コルク代表。

如月がコルクにいた頃の担当。

短く的確な言葉で、如月の迷ってるところを指摘する。

如月ポンコツモードを見抜き、迷走するとすぐに打ち合わせを提案してくれる。

ちなみにコルクとは出版エージェントだが、如月はいつから自分がコルク所属になったかを知らない。

2021年に如月がコルクを脱退。今までありがとうございました。

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