第23話 続第4回打ち合わせを始めしましょ!

文字数 1,194文字

※ご注意 本編のネタバレがございます。

コチラの▶︎作品と合わせて

お楽しみいただけますと幸いです。

思わせぶりだったので引っ張りましたけど、大事なことってなんですか?
っていうことなんだよね。
いや、どういうことですか!!
ちゃんと教えてくださいよ!!
ということ。
佐渡島さん、ええっと?
今、俺が思わせぶりなことを言って、如月くんが「どういうことですか?」ってリアクションして、「教えてくださいよ!」って望んでそれで、こうして説明することになった。
1まずは出来事を起こす、2それに対して受動的反応を示す(リアクション)、3能動的反応を起こす(want)っていう流れを意識してもらいたいんだよね。これが、物語の転がし方!
なるほど!
文章が平坦にならないように、これを意識しみてね。
なるほど。他に意識した方がいいことってありますか?
謎めいたところをはっきりしてあげた方がいいね。読者がこの物語の謎はどれだ? ってカンチガイしないように。
重要じゃないところを削って、この物語の謎はこれ、ヒントはこれ、って道案内をしてあげるつもりで書くのが大事だね。作者はわかってても、読者はそうじゃないから。
にゃるほどにゃるほど。
もしかして、これないと物足りないんじゃないかなって思ったり、これ面白いからあった方がいいんじゃないかなって僕が思ってたところって…?
うん、けっこういらないね。
ぎゃふん!
文章が平坦って言えば、如月さんってあんまりキャラの感情を書かないのも気になりました。
あー、それはキャラの感情をそのまま書くとうるさくなっちゃうのであんまり書きたくなくて。
その代わりに、風景描写や所作に感情を乗せようと思ってるんですけど、筆力がなくて風景描写が上手くできてないからですね。
(風景描写が苦手な自覚があるのか)
(自覚あるんだ)
ありますよ! 小説読んで、ああみんな風景描写うめえなあちくしょう! って思ってますわ!!
昔よりは上手くなったとは思うんすけど、これは永遠に続く修行でしょうな。
ヘミングウェイなんかは感情を風景に乗せるのが上手いから、読んだらいいかもね。
あー、ヘミングウェイいいですよね。憧れてる作家です。
関係ないシーンはいらないってなると、例えば「クビキリ」のチャプ5とかっていらないってなっちゃうんですかね?
いります!!
のわ、食い気味に。でも、事件の情報とは関係ないですよね。
ここは、喫茶店で瀬川さんを待っているというのがシーンとしてわかりますし、緩急の緩で、キャラクターのことが掴める良いサブシーンです。
なるほど。なんだか、重要なシーンとそうじゃないシーンっていうの判断って難しいですね。
ありますよ! 重要なシーンとそうじゃないシーンの見分け方!
なんですか!?
それは……
それは!?
二回連続で、同じような引きの終わり方をしてしまうのか!?
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
する! 如月はそういうことを、平然とする!
つづく
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登場人物紹介

如月新一

第1回リデビュー小説賞を受賞した小説家。

→『あくまでも探偵は』が2021年1月に発売。同月続刊制作決定。

しかし、一年が経った今もまだ、2巻は出ていない。

果たして書籍化というゴールに、再び辿り着けるのか!?


三日三晩に渡る河北さんとの決闘に勝ち、勝利、そしてついに…

講談社タイガ編集長に就任。

読んだら熱い感想を伝えて導く、頼れる編集者。

コマンド「おだてる」を駆使して、如月の筆を早める。

会うと男なので、ご用心。

河北

小説現代編集長(元講談社タイガ編集長)

第1回リデビュー小説賞で熱い意気込みをかけている。この物語はこういうことをしたかったのでは? と丁寧に整理してくれる。

小説 Don't dead,never die.Believe.

今は小説現代という戦場で戦っている。たまにポケットからオルゴールを取り出し、チーム「あく探」のことを思い出している。

佐渡島

コルク代表。

如月がコルクにいた頃の担当。

短く的確な言葉で、如月の迷ってるところを指摘する。

如月ポンコツモードを見抜き、迷走するとすぐに打ち合わせを提案してくれる。

ちなみにコルクとは出版エージェントだが、如月はいつから自分がコルク所属になったかを知らない。

2021年に如月がコルクを脱退。今までありがとうございました。

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