第19話 続々第3回打ち合わせをしましょ!

文字数 2,116文字

※ご注意 本編のネタバレがございます。

コチラの▶︎作品と合わせて

お楽しみいただけますと幸いです。

さあ、さっきの案はありですか! なしですか!?
それについてお答えする前に、滑川について再考しましょうか。

滑川って、悪人ではあるんですが、これまたトリックスターですよね。知能犯。

だとすると、如月さん的にも、滑川は森巣をただボコるのではなくて、完膚なきまでにたたきのめそうとするんじゃないかな、と考えている。

だから、滑川は森巣と「勝負をする」って流れですよね?

じゃ、そこで賭けるのは「平」になるわけですよ!

!?
勝手な想像ですが、滑川は〇曜日までに平を殺す。そこまで守り切れたらお前の勝ち、みたいな勝負でしょうか。森巣は平にそのことがバレないように必死に平を守っている。毒とか呑まされたり? 点滴に毒が入っていたり? 途中で、平にそのことがバレて大喧嘩。でも、二人で相談して滑川を逆に罠に嵌めて勝利、とか?(この通りにしてください、ってことではなくあくまでサンプルです!)
にゃるほど。

滑川が平を叩いてみたら、森巣が意外とムキになったので、これを使うかって感じになりそうですね。

おそらく滑川の犯罪「計画」という部分に引っ張られているのだと思うのですが、今回の一番の見せ場は森巣と滑川の対決シーンなんじゃないですかね。
 逆にいうと、滑川の行動は対決シーンに導くための「流れ」であり、そこに本丸がある必要はないように感じます。 ここまでついてくれた読者に対する一番のサービスは、モリスの内心が分かること、平くんとの関係が進展することです。 

そこに力を注ぐために、滑川の行動原理はシンプルにし、凝るなら実際の対決部分にするのがいいのではないでしょうか!

>ここまでついてくれた読者に対する一番のサービスは、モリスの内心が分かること、平くんとの関係が進展することです。

なるほどー! すごろくのマスにどんなことが書かれてるか、でサービスしないといけないよなあ、4話目はどんなこと書いてあるんだあ、と考えてばかりいたので、大変助かりました。指針がちゃんと立ちました。

佐渡島さん的にはどうです?

B案の方が魅力的だけど、設定はシンプルで、キャラの描き方を凝るがいいよ!

じゃあ、ざっくりまとめると、

・殺し屋勢カット

・平は森巣にとっての初めての仲間だったので、まさか平が襲われたことにこんなに動揺するとは、となっている

・二人が協力したから勝てた感

・森巣の成熟していないところと人間臭さを

・B案で

って感じですね。

ですです!

【ざっくりあらすじ】もまとめますと、


「森巣良とは何者か?」


平が何者かに襲撃されて入院する。滑川の罠だと知りつつも、森巣は居てもたってもいられずに見舞いに行く。森巣に変わったことがないか尋ねられ、平の見舞いの品がなくなった話を伝える。やけに険しい顔をする森巣。


そんな中、二人が病院で2話目の店長と出会う。強盗ヤギで共犯になってから、ずっと滑川の言いなりになっているらしい。個室病室にいるから、一緒にやっつけないかと提案を受ける。平は信じているが、森巣は嘘だとわかる。こいつが俺たちの情報を滑川に売ったな、と。


平が、自分への襲撃は滑川絡みなのかと勘付き、森巣と口論に。みんなと足並みを揃えるべきだVS自分の力で戦うべきだ。森巣を信じていいのか?


その日の夜、平は病院の図書室にいる男の癖と自分を襲撃した奴の癖が同じだと気づく。カマをかけたら、同一人物だとわかるが、そのことを相手にバレる。男が滑川だとわかる。森巣に助けを求めたいけど、離れているしきっと間に合わない。


滑川からゲームを提案される。


「この二つの菓子のうち、一つには毒が入ってる。食べたら電話をかけさせてやる」


差し出されたそれは平の盗まれた見舞いの品の中にあるものだった。森巣にもわけている。「悩んでる間に、毒を食べてるかもしれないぞ」と言われる。


「どちらも毒だろ」


「じゃあ、私もひとつ食べよう」


そんなやりとりをした後、平は滑川に森巣がいつかお前を追い詰めると伝えてひとつ食べて、森巣に電話をかける。菓子を食べるなという話と、場所、滑川に負けたという話を伝えたあとに、倒れる。滑川の悪の演説を聞く。


そこに森巣が来る(患者衣を着ている)平が倒れる。滑川は登場に驚きつつ、負けたら平の解毒剤を渡すという条件で同じゲームを提案し、森巣が承諾。選ぶ順番を、森巣がコイントスで決めようと言い、滑川が提案に乗る。コインを空中に弾き飛ばした直後、森巣が滑川をぶん殴る。何してんだ、と思いながら平の意識がなくなる。


平が目覚める。図書室で座っている森巣から、金を詰んで入院していたこと、滑川がゲームに使っていたのは睡眠薬だろうという話を聞く。滑川も時間差で倒れたのでは? と思うが、殴りたかったから殴ったとのこと。そして、一人で滑川に挑んだことに敬意を示される。


で、滑川をどうするよ問題になる。森巣が手配した業者が来るのが先か、滑川が自首の電話をかけるのが先か賭けをすることにして、退場。展望フロアで、森巣と朝を待つ。


「森巣良とは何者か?」の答え

っていう感じでどうでしょうか?
っていう感じでどうなのか!?
つづく
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登場人物紹介

如月新一

第1回リデビュー小説賞を受賞した小説家。

→『あくまでも探偵は』が2021年1月に発売。同月続刊制作決定。

しかし、一年が経った今もまだ、2巻は出ていない。

果たして書籍化というゴールに、再び辿り着けるのか!?


三日三晩に渡る河北さんとの決闘に勝ち、勝利、そしてついに…

講談社タイガ編集長に就任。

読んだら熱い感想を伝えて導く、頼れる編集者。

コマンド「おだてる」を駆使して、如月の筆を早める。

会うと男なので、ご用心。

河北

小説現代編集長(元講談社タイガ編集長)

第1回リデビュー小説賞で熱い意気込みをかけている。この物語はこういうことをしたかったのでは? と丁寧に整理してくれる。

小説 Don't dead,never die.Believe.

今は小説現代という戦場で戦っている。たまにポケットからオルゴールを取り出し、チーム「あく探」のことを思い出している。

佐渡島

コルク代表。

如月がコルクにいた頃の担当。

短く的確な言葉で、如月の迷ってるところを指摘する。

如月ポンコツモードを見抜き、迷走するとすぐに打ち合わせを提案してくれる。

ちなみにコルクとは出版エージェントだが、如月はいつから自分がコルク所属になったかを知らない。

2021年に如月がコルクを脱退。今までありがとうございました。

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