第16話 病院が苦手2

文字数 359文字

 アンちゃんは、病院が苦手。
それも、お医者さんが超苦手。白衣を見ると、震えてしまうほど。
診察台に上がると、先生に向かってシャーの連発。
「シャーしないでね、ちょっとお口見せてね」
「いやー、触らないで!」
そして、私にしがみつき、肩へ登る。
このしがみついた時だけ、何だかすごく可愛い。
「痛い、痛い!」
肩から、背中へ移動。これは本当に、痛い。
「いだだだだだー」
むしりとって、診察台へ。
「ちょっと、音、聞かせてね。うん、かなりドキドキしちゃってるね」
優しそうな男の先生の手を見ると、傷だらけだ。
あらゆる動物を診てるから、大変なんだろうな、と実感してしまう。
「ちょっと、あんた!何ボーっとしてるの。早く帰るわよ!」
注射が終わると、一目散にキャリーケースへ入るアンちゃん。
出発の時も、それくらいだと助かるんだけどな。
「はーやーく!」




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