第12話 一緒に食べたいの!

文字数 419文字

 アンちゃんは、カリカリもウエットも、どちらも好きだ。
好きな時にムシャムシャ食べているくせに、
私たちが夕飯の食卓につく時を狙って騒ぎ始めるのだ。
「わーたーしーもー、わーたーしーもってばー」
こちらをじっと見つめ、うったえ掛けて鳴く姿は何とも可愛らしい。
「何?どうしたの?」
「だーかーらー、これ、そっちに持っていってってば!」
フードボールを前に、鳴く。
「ええ?ここで食べたらいいじゃない」
「わかってないわね。それって孤食じゃない?ひどいと思わないの?」
「こ、孤食?」
「さっさと、運びなさいよ」
と、言うわけで、夕飯時だけテーブルの近くで(もちろん下で)一緒に食べるのだ。
ひどい時は、
「背中をナデナデさせてあげる。そうしたら、食べてもいいわ」
とか、
「フードボール、持っててちょうだい。そうしたら食べるから」
等、我儘お嬢様っぷりを発揮している。
「ごちそうさま」
そして食べたら、さっさといなくなる、先ほどの甘えは何処へ…。
もう少し、一緒にいませんか?



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