第21話 新しい座椅子

文字数 228文字

 父の腰痛を心配して、新しい座椅子を購入した。
背もたれは42段階にリクライニングされ、座面は2層構造となっている。
体を面で支え、1カ所にかかる圧力を分散させてくれるという優れものだ。
初めは喜んで使っていたのだが、アンちゃんがそれを見逃すはずがなく。
しばらくたつと、座椅子は彼女のものとなっていた。
堂々と眠る彼女の横で、古い座椅子を使う父。
「ねえ、どかしちゃいなよ、アンちゃん」
「いや、せっかく寝てるんだから、可哀想だろ」
可哀想?え?まあ、そうですね。はい。







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