(2)
文字数 1,243文字
男たちは私を見て少々びっくりした様だった。でも、その後、何やらニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべてこっちに近づいて来る。
しかし、どうしてこういう場面の男って、いかにもチンピラって風情で来るんだ? 首を少し前に出し、肩いからせて、ポケットに両手突っ込んで……。時には指の骨まで鳴らす奴がいる。
ポキポキ……。
本当に、遣りやがったぜ、こいつら……。
「態々来てくれて、手間が省けたぜ。お前を探してたんだよぉ!」
「知らねえな! そんなことより、弱い者いじめ何か、男のするこっちゃない! その女から手を放せ! そいつには用がある」
ま、そう言って、言う事聞く様な顔してないよな……。
「こっちは手前 に用があんだよ!」
「おい、こいつを適当な空き家に連れこめ! 痛い思いさせて、裸にひん剥いて、少し遊んでから画像撮るんだ! そうすりゃ、サツにタレこまれることはねぇ!」
そう言うと、男たちは私の両腕を取って拉致しようとする。だけど、こいつら馬鹿か? 誰が黙って拉致されるんだ? 大声だって出されるかも知れないだろう? 勿論、私は大声を出して助けなんか呼ぶ気はないさ。その必要も無いしな。
私は左右の相手の手首を取ると、全身の回転を使って気合と共に二人同時に地面に投げ倒す。
良くこういう場面で、殴ったり蹴ったりする女の子がいるけど、力の無い女の子では、そんなの有効じゃない。相手が受け身を知らないなら、地面に叩きつけるのが正解だ。都会では地面は固いアスファルトだし、転んだ時、力に関係なく、相手の重さがそのダメージになる。そう、相手の力を利用して、全身を使って相手を転がすんだ!
男たちは立ち上がって、次々に勢いつけて殴り掛かってくる。そうなると逆に制御し易い。退路を断たれて、ゆっくり来られたり、踏み込み過ぎない様に攻撃されるのが、一番嫌だ。
私は相手が起き上がって向かってくる度 、相手を転がしていった。そんな感じで、私も少々調子に乗っていたと言えなくもない。
「おい、こっちを見ろ!」
有希ちゃんは警察にでも電話しようとしたのだろうか? ポーチからスマホを取り出したの見咎められ、三人目の男にスマホを持った腕を掴まれ、羽交い絞めにされている。
「抵抗すんじゃねえ!」
そう言って有希ちゃんを羽交い絞めした男は残りの二人にも命令する。
「そいつを殴れ!」
男の片割れは、命令されたからか、自発的か分からないが、私の頬を拳を固く握って思い切り殴ってきた。
避けられる。でも、避ける訳にはいかない!
相手の拳の方が砕ける様に念じながら、私は歯を食いしばってそれを受けた。その衝撃で私は後ろに吹き飛んで尻餅を搗いた。
今度は別の男が私の髪の毛を掴んで立ち上がらせる。しかし、何て隙だらけなんだ! ボディがガラ空きじゃないか……。
でも、反撃は出来ない。こいつは私の顎に、下からアッパーを食らわしてくる。私はまたも、よろけて四つん這いに倒れ込んだ。
しかし、どうしてこういう場面の男って、いかにもチンピラって風情で来るんだ? 首を少し前に出し、肩いからせて、ポケットに両手突っ込んで……。時には指の骨まで鳴らす奴がいる。
ポキポキ……。
本当に、遣りやがったぜ、こいつら……。
「態々来てくれて、手間が省けたぜ。お前を探してたんだよぉ!」
「知らねえな! そんなことより、弱い者いじめ何か、男のするこっちゃない! その女から手を放せ! そいつには用がある」
ま、そう言って、言う事聞く様な顔してないよな……。
「こっちは
「おい、こいつを適当な空き家に連れこめ! 痛い思いさせて、裸にひん剥いて、少し遊んでから画像撮るんだ! そうすりゃ、サツにタレこまれることはねぇ!」
そう言うと、男たちは私の両腕を取って拉致しようとする。だけど、こいつら馬鹿か? 誰が黙って拉致されるんだ? 大声だって出されるかも知れないだろう? 勿論、私は大声を出して助けなんか呼ぶ気はないさ。その必要も無いしな。
私は左右の相手の手首を取ると、全身の回転を使って気合と共に二人同時に地面に投げ倒す。
良くこういう場面で、殴ったり蹴ったりする女の子がいるけど、力の無い女の子では、そんなの有効じゃない。相手が受け身を知らないなら、地面に叩きつけるのが正解だ。都会では地面は固いアスファルトだし、転んだ時、力に関係なく、相手の重さがそのダメージになる。そう、相手の力を利用して、全身を使って相手を転がすんだ!
男たちは立ち上がって、次々に勢いつけて殴り掛かってくる。そうなると逆に制御し易い。退路を断たれて、ゆっくり来られたり、踏み込み過ぎない様に攻撃されるのが、一番嫌だ。
私は相手が起き上がって向かってくる
「おい、こっちを見ろ!」
有希ちゃんは警察にでも電話しようとしたのだろうか? ポーチからスマホを取り出したの見咎められ、三人目の男にスマホを持った腕を掴まれ、羽交い絞めにされている。
「抵抗すんじゃねえ!」
そう言って有希ちゃんを羽交い絞めした男は残りの二人にも命令する。
「そいつを殴れ!」
男の片割れは、命令されたからか、自発的か分からないが、私の頬を拳を固く握って思い切り殴ってきた。
避けられる。でも、避ける訳にはいかない!
相手の拳の方が砕ける様に念じながら、私は歯を食いしばってそれを受けた。その衝撃で私は後ろに吹き飛んで尻餅を搗いた。
今度は別の男が私の髪の毛を掴んで立ち上がらせる。しかし、何て隙だらけなんだ! ボディがガラ空きじゃないか……。
でも、反撃は出来ない。こいつは私の顎に、下からアッパーを食らわしてくる。私はまたも、よろけて四つん這いに倒れ込んだ。