第26話 総裁政府の樹立

文字数 1,219文字

今まで戦争の話ばかりしてきたが、ここらで、政治の話をしておかなくちゃな。

あ、こらっ! 逃げるな!

うぐぐ、離して……。

政治の話は複雑だから、嫌い……。

そういうことじゃいかん! お前のお脳が軽いのはよくわかっているが、わからないからといってほっぽらかしておくと、後から泣きを見るんだぞ。


この場合は、ドゥゼ将軍の進退に関わってくんるだからな!



遡って、

1794年7月。テルミドールのクーデター

 ロベスピエールの失脚、処刑。

 恐怖政治の終焉



翌95年10月、総裁政府樹立



「三帝激突」6話「テルミドールのクーデター」、参照



俺達のマンハイムでの戦いの開戦が遅れたのは、総裁政府の樹立のごたごたのせいだったんだな。いい迷惑だぜ。



16話「ネッカー川岸での戦い」

そうそう。1795年は、5月に民衆の蜂起が起きたし、10月、総裁政府ができる直前に、パリで、王党派の反乱、 ヴァンデミエールの乱 も起きたんですよ。
バラスの副官になって、この反乱を鎮圧したのが、ブオナパルテとかいう、砲兵上がりの痩せたチビだったと聞いたけど、あれ? それって……。



*この後すぐ、総裁政府の総裁に

ナポレオンです。

*「三帝激突」7話「ヴァンデミエール将軍」、参照



ここから、1795年、総裁政府発足当時の政情をご説明致します。

テルミドールのクーデターが起き、王党派は、議員数を増やせると希望を持っていた。


しかし、この時樹立された総裁政府は、議員の2/3が、現職でなければならないという決まりがあった。


これでは、いつになったら、王党派の意見が通るのか、わからない。2/3条項は、明らかな不正ではないのか。というのが、蜂起した王党派の言い分だった。(上記ヴァンデミエールの乱



しかし王党派の皆さんも、まさか街中で葡萄弾(散弾)をぶっ放されるとは思ってなかったでしょうね。



この2/3条項は、議員の1/3と、総裁の一人は、毎年改選される、という決まりとなって、総裁政府に残った。



ボナパルト将軍の活躍で、ヴァンデミエールの乱は鎮圧され、総裁政府は樹立されました。ボナパルトはこれで一気に名を挙げ、ケレルマン(父)の後任として、イタリア軍の指揮を与えられます。



20話「カール大公の策略」、参照

 ブログ「ケレルマン(父)」

総裁政府樹立……


ライン河流域での戦いでは、オーストリアのクレルファイ元帥が出てきて、ジュールダン軍のサンブル=エ=ムーズ軍を押しやっていた頃だな。


俺達ライン・モーゼル軍が、ネッカー河岸でやられた直後だ。



17話「ジュールダンの後退」、参照

そして、ピシュグリュが、ライン・モーゼル軍司令官の辞任を申し出たのも、この頃です。



10話「フランス革命戦争3」

12話「ライン右岸へ」




フランス革命の、政権の推移をまとめてあります。

ブログ「フランス革命のざっくりした流れ」


また、クーデターも、ざっくりまとめてあります。

ブログ「テルミドール、ヴァンデミエール、フリュクティドール」

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登場人物紹介

ルイ=ニコラ・ダヴー

Louis-Nicolas Davout

1770.5.10 - 1823.6.1


主役は、オレだ!


(後のナポレオン時代、”鉄の元帥”の異名を取る。無敗を喧伝される一方で、偏屈とも噂される。ここでは、彼が若く、ナイーヴだった頃を扱います)

小説「負けないダヴーの作り方」

ルイ・シャルル・アントワーヌ・ドゥゼ

Louis Charles Antoine Desaix de Veygoux

1768.8.17 - 1800.6.14


ライン軍将校。俺の憧れの人♡

注)本作及び、小説「負けないダヴーの作り方」は、BLではありません

ブログ「ドゼー1」 ~

サヴァリ

Anne Jean Marie René Savary

1774.4.26-1833.6.2


俺を差し置き、ドゥゼ将軍の副官になりやがった邪魔なやつ。こいつ、童てi じゃないかと、俺は密かに疑ってるんだが、 こんな世間知らずが、ドゥゼ将軍の副官になっていいものか!!

ラップ

Jean Rapp 

1771.4.27 - 1821.11.8


こいつも、ドゥゼ将軍の副官になりやがって。勇気だけが取り柄の、とにかくクソ生意気な男



ラップ目線の2000字小説が、こちらに「勝利か死か Vaincre ou mourir

ブログ「ラップ」

アンベール

General Jean Jacques Ambert

1765.9.30 - 1851.11.20


俺の上官。俺の軍服に、鼻水をなすりつけて感涙にむせぶ癖がある

作者

※このページは、ダヴーにのっとられました……

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