第2話 ダヴー様の生い立ち
文字数 1,593文字
つい最近、失敗したばかりじゃないか。戦闘場面から書き始めて! せっかく来てくれたステキ女子が、第一話で回れ右して帰っちゃったことがあったろ!
ダヴーは、1770年5月10日、ブルゴーニュ地方のアンヌAnnoux で生まれた。中世にまで遡ることができる貴族の家柄で、軍人の家系だった。
ダヴーが9歳の時、父ジャン・フランソワが、狩猟事故で亡くなる。母は、アンヌの城を手放し、ラヴィエール(アンヌの近く)に、管理しやすい、よりコンパクトな領土と城を買い直した。
なお、ダヴーには、妹が一人と、弟が2人いる。
父が亡くなった年の暮れまでに、オセール*近くの王立軍事学校に入学。学科は良くできたが……、
*アンヌ、ラヴィエールと同じく、ブルゴーニュ地方。ラヴィエールから、パリ寄り(西北)へ直線距離で、40キロほど
*殆ど全ての学生が、貴族・王族。従って、後に、学友の大半は、エミグレ(亡命貴族)となって、革命軍に戦いを挑んだ
俺が入学した時、彼はもう、いなかった。ちょうど、入れ違い*だったんだ。いなくてよかったよ。文武とも、当然、俺の方が格上だから、うっかり負かしていたら、後から大変だったと思うぞ……。
*ダヴーは、85年の9月25日入学。ナポレオンは、同年同月の卒業。なお、ナポレオンは、本来なら、2年在籍するところを、1年で、卒業した(恐らくは経済的な理由で)
1788年冬。18歳のダヴーは、中尉*として、伯父のいた、シャンパーニュ王立騎兵隊**に入隊を許される。なお、ここには、彼の従兄弟も在籍していた。
*sous lieutenant これは、入隊に際して与えられた身分で、特段の手柄があったわけではない。無給の場合もあり、いわゆる、見習士官
**Royal-Champagne cavaly resiment
翌89年。
フランス革命が勃発する……