第2話 ダヴー様の生い立ち

文字数 1,593文字

では、本題に入ります。まずは、1795年、マンハイム包囲戦について、その前哨戦から……
ちょっと待て! お前は馬鹿か?
はいぃぃぃぃ? 


まあ、一向に需要のない小説を、身を削って書き続けている辺り、自分でもバカなの? って、思わないでもないですが……。

何をごちゃごちゃ言ってるんだ?

つい最近、失敗したばかりじゃないか。戦闘場面から書き始めて! せっかく来てくれたステキ女子が、第一話で回れ右して帰っちゃったことがあったろ!


小説「負けないダウ―の作り方」

そういえば、そんなことも……(遠い目)
それはつまり、お前のやり方が下手くそだからだ。

いいか。後の鉄の元帥、戦争大臣経験者、即ち、知性派の俺が教えてやる。読まれる小説の書き方を、な!

なんですと! 苦節ン十年。その苦悩の歴史を打開して下さるのですか!?

お願いです、ダヴー様。ぜひぜひ、教えてくださいませ。

ン十年? 年齢がバレるぞ。

まあ、いいや。

読者の皆さんは、何が知りたいと思う?

それは、私が苦労して集めた、ライン軍将校達の肖像画とか、イケメンエピとか、萌え要素……、
違う!

いいか。日本の読者の皆さんが知りたいのはな、


俺の 、だよ!


帝国元帥一の美形・ダヴー様の、知られざる、初期のエピソードだ!

…………………………。
そういうわけで、史実編は、俺の誕生秘話から始める。別に秘密でもないがな。日本人が知らないだけだ。即ち、教養をひけらかすのに、打ってつけ! 異性同性問わずよろめくこと、間違いなし! まあ、聞くがいい。




ダヴーは、1770年5月10日、ブルゴーニュ地方のアンヌAnnoux で生まれた。中世にまで遡ることができる貴族の家柄で、軍人の家系だった。


ダヴーが9歳の時、父ジャン・フランソワが、狩猟事故で亡くなる。母は、アンヌの城を手放し、ラヴィエール(アンヌの近く)に、管理しやすい、よりコンパクトな領土と城を買い直した。


なお、ダヴーには、妹が一人と、弟が2人いる。




父が亡くなった年の暮れまでに、オセール*近くの王立軍事学校に入学。学科は良くできたが……、



*アンヌ、ラヴィエールと同じく、ブルゴーニュ地方。ラヴィエールから、パリ寄り(西北)へ直線距離で、40キロほど

そうそう! 俺は優秀でな!

数学と地理は、顕彰されたくらいだ!

でも、語学は苦手だったでしょ。

ドイツ語なんて、大人になってから使わなければならない場面が多々あったのに、一向にマスターできなかったとか。

何か言ったか!?
いいえっ!!
6年後、15歳の時に、パリの王立学校*へ入学。ここは、あの、ナポレオン・ボナパルトが在籍した学校である。



*殆ど全ての学生が、貴族・王族。従って、後に、学友の大半は、エミグレ(亡命貴族)となって、革命軍に戦いを挑んだ

なんだよ。みんな、ナポレオン、ナポレオンって……。

俺が入学した時、彼はもう、いなかった。ちょうど、入れ違いだったんだ。いなくてよかったよ。文武とも、当然、俺の方が格上だから、うっかり負かしていたら、後から大変だったと思うぞ……。



*ダヴーは、85年の9月25日入学。ナポレオンは、同年同月の卒業。なお、ナポレオンは、本来なら、2年在籍するところを、1年で、卒業した(恐らくは経済的な理由で)

慣習より、若干長めの2年半の在籍後、ダヴーは、王立軍事学校を卒業した。



1788年冬。18歳のダヴーは、中尉として、伯父のいた、シャンパーニュ王立騎兵隊**に入隊を許される。なお、ここには、彼の従兄弟も在籍していた。



*sous lieutenant これは、入隊に際して与えられた身分で、特段の手柄があったわけではない。無給の場合もあり、いわゆる、見習士官

**Royal-Champagne cavaly resiment

何しろ、騎兵だからな。エリート中のエリートだ。馬は、金がなければ、飼えないから。



翌89年。

フランス革命が勃発する……



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登場人物紹介

ルイ=ニコラ・ダヴー

Louis-Nicolas Davout

1770.5.10 - 1823.6.1


主役は、オレだ!


(後のナポレオン時代、”鉄の元帥”の異名を取る。無敗を喧伝される一方で、偏屈とも噂される。ここでは、彼が若く、ナイーヴだった頃を扱います)

小説「負けないダヴーの作り方」

ルイ・シャルル・アントワーヌ・ドゥゼ

Louis Charles Antoine Desaix de Veygoux

1768.8.17 - 1800.6.14


ライン軍将校。俺の憧れの人♡

注)本作及び、小説「負けないダヴーの作り方」は、BLではありません

ブログ「ドゼー1」 ~

サヴァリ

Anne Jean Marie René Savary

1774.4.26-1833.6.2


俺を差し置き、ドゥゼ将軍の副官になりやがった邪魔なやつ。こいつ、童てi じゃないかと、俺は密かに疑ってるんだが、 こんな世間知らずが、ドゥゼ将軍の副官になっていいものか!!

ラップ

Jean Rapp 

1771.4.27 - 1821.11.8


こいつも、ドゥゼ将軍の副官になりやがって。勇気だけが取り柄の、とにかくクソ生意気な男



ラップ目線の2000字小説が、こちらに「勝利か死か Vaincre ou mourir

ブログ「ラップ」

アンベール

General Jean Jacques Ambert

1765.9.30 - 1851.11.20


俺の上官。俺の軍服に、鼻水をなすりつけて感涙にむせぶ癖がある

作者

※このページは、ダヴーにのっとられました……

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