第27話 王党派、優位に

文字数 810文字

2年後。

2/3条項が、他ならぬ総裁政府に、牙を剥きます。



*議員の2/3は、現職でなければならない、という決まり

 26話「総裁政府の成立」、参照



総裁政府は、5人の総裁による集団指導体制を敷き、旧人会(上院)と、五百人会(下院)の、二院制を採用していた。



毎年、選挙が行われ、議員の1/3 と、総裁の一人を改選する。



1797年、春。

上下院の過半数を王党派が占める結果となった。

また、この年選出された新総裁・フランソワ・ド・バルテルミーも、王党派だった。


そして、五百人会の議長に、王党派のピシュグリュが選出された。



出た! ピシュグリュ!

俺達をほったらかしにして、政治家になった、元ライン・モーゼル軍司令官だぜ!



18話「マンハイム籠城」、参照

ピシュグリュは、そりゃ、王党派ですよね。だって、ライン・モーゼル軍司令官だったころから、オーストリア軍や、エミグレ(亡命貴族)軍と密通してましたものね。



14話「上アルザスにて」、参照



97年の選挙によって、王党派が優位に立った。


しかしこれは、総裁政府にとって、好ましくないことだった。議員の中には、ルイ16世の死刑に賛成した者が残っている。ブルボン家がフランスに帰還するようなことにでもなったら、彼らの議員生命どころか、実際の命さえ、危うくなるかもしれない。



こうして、総裁政府は、武力による、王党派排除を狙った。



1797年の選挙の結果、総裁は、以下の5名となった。

・バラス(共和派)

・ルーベル Reubell(共和派)

・レポ― La Révellière-Lépeaux (共和派)

・カルノー(王党派寄り)

・バルテルミー François de Barthélemy(新メンバー:王党派)



王党派を抑える為には、新総裁のバルテルミーと、立場の怪しいカルノーを除けばいいわけです。あと、五百人会議長となった、ピシュグリュも。


ところで、総裁政府のナンバー1、バラスには、秘策がありました。

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登場人物紹介

ルイ=ニコラ・ダヴー

Louis-Nicolas Davout

1770.5.10 - 1823.6.1


主役は、オレだ!


(後のナポレオン時代、”鉄の元帥”の異名を取る。無敗を喧伝される一方で、偏屈とも噂される。ここでは、彼が若く、ナイーヴだった頃を扱います)

小説「負けないダヴーの作り方」

ルイ・シャルル・アントワーヌ・ドゥゼ

Louis Charles Antoine Desaix de Veygoux

1768.8.17 - 1800.6.14


ライン軍将校。俺の憧れの人♡

注)本作及び、小説「負けないダヴーの作り方」は、BLではありません

ブログ「ドゼー1」 ~

サヴァリ

Anne Jean Marie René Savary

1774.4.26-1833.6.2


俺を差し置き、ドゥゼ将軍の副官になりやがった邪魔なやつ。こいつ、童てi じゃないかと、俺は密かに疑ってるんだが、 こんな世間知らずが、ドゥゼ将軍の副官になっていいものか!!

ラップ

Jean Rapp 

1771.4.27 - 1821.11.8


こいつも、ドゥゼ将軍の副官になりやがって。勇気だけが取り柄の、とにかくクソ生意気な男



ラップ目線の2000字小説が、こちらに「勝利か死か Vaincre ou mourir

ブログ「ラップ」

アンベール

General Jean Jacques Ambert

1765.9.30 - 1851.11.20


俺の上官。俺の軍服に、鼻水をなすりつけて感涙にむせぶ癖がある

作者

※このページは、ダヴーにのっとられました……

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