第14話 上アルザスにて
文字数 1,224文字
*10話「フランス革命戦争3」、参照
もっとも、彼は何も知らなかったがね。途中で死んだ場合のスペアまで立てられていたというのに、呑気なことだ。
春になるまで、ドゥゼは、マインツ包囲陣の中にいた。
新司令官ピシュグリュは、彼に、ブリザッハからバーゼルの間の上アルザスの守備を任せた。ドゥゼには、5個師団と、5万人の兵士からなる軍団が任された。![](https://img-novel.daysneo.com/talk/b305fa9dffbf82402d111ac2fb341709.jpg)
*王族。亡命して革命政府に対抗、亡命貴族軍を率い、諸外国に援助を求めた
エミグレ達には、ヴァンデの王党派に加わろうという目論見があった。国に財産を残し(政府に没収された)、身一つで国を出た彼らは、武器に乏しく、ゲリラ戦のように、革命軍を襲った。それは、同じフランス人同士の戦いだった。
これに、オーストリアの傭兵たちが加わり、ライン河の西側に攻め入ろうとする。
ドゥゼの軍を上アルザスに残し、ピシュグリュ麾下ライン・モーゼル軍は、北進を始めた。9月20日、マンハイムを無血で陥落させ、ここから、ライン河を渡河した。
それに先立ち、9月6日、ジュールダンのサンブル=エ=ムーズ軍も、ライン渡河に成功、デュッセルドルフを占領した。
*12話「95年ライン右岸へ」、参照
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