第16話 ネッカー河岸での戦い

文字数 1,284文字

おーい!

おーい!

(ボロッ)

ふぁ~~い。

(ボロボロ)

何だお前。崩れかけてるぞ。

(ポロリ)

ここまで説明するので、精魂尽き果てました……

(ボロボロボロ)

キャパ、小さそうだもんな、お脳の。

だが、ここからが本番だ。しっかり気を入れて話せよ!

ダメなんスか? 小説だけじゃ、ダメなんスか?


小説「負けないダヴーの作り方」

その小説を、さっぱり読んでもらえないから、ここまで出張ってきてるんじゃないか。

しっかりしろ!

性根入れ直せ!



95年。プロイセンはじめ、フランスの敵は、次々と戦線を離脱した。残ったのは、オーストリアとイギリスのみとなった。

3話「フランス革命戦争3」




オーストリアは、北の低地地方(オランダ、ベルギーの一部)をフランスに奪われ、95年の戦線は、ライン河中流域に南下してきた。一方のフランスは、ライン河を越え、右岸(東側)への進出を目論んでいた。


夏。カルノー(この年発足する総裁政府の総裁となる)の発案で、二つの軍が、北と南で、ライン河を渡河した。


ジュールダン麾下サンブル=エ=ムーズ軍(デュッセルドルフ付近)

ピシュグリュ麾下ライン・モーゼル軍(マンハイム)


12話「ライン右岸へ」


俺は、アンベール師団の旅団長として、ライン・モーゼル軍に加わった。


実際に戦闘が始まったのは、秋。戦争を始めるには、遅すぎる季節だった。


もちろん、オーストリア軍は、万全の態勢で、これに臨みました。



ジュールダンのサンブル=エ=ムーズ軍には、ラトゥール元帥軍




ピシュグリュのライン・モーゼル軍には、ヴルムザー元帥軍

渡河後、最初に行動を起こしたのは、ピシュグリュ軍(ライン・モーゼル軍)です。

ここからは、ピシュグリュ軍の説明になります。


ピシュグリュ軍が、マンハイムを占領した頃。

ドゥゼ師団はまだ、南の、ブリザッハからバーゼル間で、エミグレ(亡命貴族)軍や、ヴルムザーのオーストリア軍と戦っていた。


オーストリアの主力・ヴルムザー軍は、南の森林地帯で、ドゥゼ師団が相手にしていた。だから、マンハイムの辺りは、安全なはずだった。


マンハイム右岸(東側)に渡河したピシュグリュは、まず、ハイデルベルクにある、オーストリア軍基地を叩くことにした。ハイデルベルクは、ライン河の支流・ネッカー河を東に進んだところにある。



ネッカー河の両岸に別れて進むことになった。河の


 北岸をデュフォール師団

 南岸をアンベール師団


が、それぞれ進軍を開始した。


アンベール師団だぞ!

おい、アンベール師団!!

はあ。だから?
その中に、俺の旅団もいたんだ!



オーストリアの守将は、クアスタノヴィッチ*元帥だった。

彼は、北岸のデュフォール師団に集中して兵を集め、これを殲滅した。フランスの指揮官・デュフォールは捕虜に囚われた**



*Peter Vitus von Quosdanovich 下の画像 

 その下の画像は、敗れたデュフォール師団

**この後、フランスに帰国、帝国軍人として戦う


指揮官を捕虜に取られ、生き残ったデュフォール師団の兵士たちは、ネッカー河を渡り、南岸のアンベール師団と合流した。



俺のいる師団、な。

アンベール将軍は、俺の上官だ。

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登場人物紹介

ルイ=ニコラ・ダヴー

Louis-Nicolas Davout

1770.5.10 - 1823.6.1


主役は、オレだ!


(後のナポレオン時代、”鉄の元帥”の異名を取る。無敗を喧伝される一方で、偏屈とも噂される。ここでは、彼が若く、ナイーヴだった頃を扱います)

小説「負けないダヴーの作り方」

ルイ・シャルル・アントワーヌ・ドゥゼ

Louis Charles Antoine Desaix de Veygoux

1768.8.17 - 1800.6.14


ライン軍将校。俺の憧れの人♡

注)本作及び、小説「負けないダヴーの作り方」は、BLではありません

ブログ「ドゼー1」 ~

サヴァリ

Anne Jean Marie René Savary

1774.4.26-1833.6.2


俺を差し置き、ドゥゼ将軍の副官になりやがった邪魔なやつ。こいつ、童てi じゃないかと、俺は密かに疑ってるんだが、 こんな世間知らずが、ドゥゼ将軍の副官になっていいものか!!

ラップ

Jean Rapp 

1771.4.27 - 1821.11.8


こいつも、ドゥゼ将軍の副官になりやがって。勇気だけが取り柄の、とにかくクソ生意気な男



ラップ目線の2000字小説が、こちらに「勝利か死か Vaincre ou mourir

ブログ「ラップ」

アンベール

General Jean Jacques Ambert

1765.9.30 - 1851.11.20


俺の上官。俺の軍服に、鼻水をなすりつけて感涙にむせぶ癖がある

作者

※このページは、ダヴーにのっとられました……

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