第13話 95年春

文字数 1,022文字

ここで、この間、俺のドゥゼ将軍 が、どこで何をしていたか、説明しよう。
ダヴー様ったら、また、腐女子を喜ばせるようなお言葉を……
うるさい!

お前が、小説の中で、さんざん、ドゥゼ将軍の悪口を言ったからじゃないか!



小説「負けないダヴーの作り方」

悪口? はて……。
エリーゼとか、ルイーゼとか、ホテルのメイドとシーツとかだよ!!
メイドとシーツ……ああ!

だって、ドゥゼ将軍って、聖人のイメージが強すぎるんですもの。人間臭い面を強調することによって、より、彼の魅力を、ですね、

やりすぎ! 

この国では、ドゥゼ将軍のことが、そこまで伝わってないだろ。伝記の一冊も出てないし。彼の高潔さなんて、わかるわけないじゃないか。それを、アレな話ばかり先行させやがって!



小説「負けないダヴーの作り方」

フランスでは、道徳の教科書に載っちゃってますもんね、確か。
だいたいお前、彼の両頬の傷についても、何の説明もしてないだろ。あれこそ、彼の勇気の証、
しっ!

その辺りは、ドゥゼ将軍の純愛物語で触れようと思ってるんです!!

 


あそこまで書いておいてか? いったい、どの口が言うんだ! つか、その話はいつ書くんだ?

そのうち! そのうちです!!
BLにするなよ?

それはもう、書きました。



※ドゥゼの名誉の為に、タイトル等は伏せさせて頂きます




マンハイム、1794年から95年にかけての冬。


例年にない寒い冬だった。武器弾薬の他、食料・医薬などの補給も、途絶えがちだった。


ドゥゼは、将校への割り当てを、兵士達と分かち合い、食事は常に、一番最後に、兵士らの食べ残りを食べた。将校である彼に、報奨として割り当てられた白パンやワインは、病院に運ばせた。


待ちに待った軍への補給が届くと、公共広場の大理石の上に陣取って、住民らにも分け与えたという話が伝わっている。



95年、春。プロイセンやドイツ諸邦が、次々と講和を申し込んできました。しかし、明るいニュースは、ライン河畔までは、なかなか到達しません。

ドゥゼとクレベールの間を行ったり来たりしていて、ミショーが落馬したことは話したな。



11話「ライン方面軍」、参照



怪我をした司令官・ミショーの代わりに、ピシュグリュが、ライン・モーゼル軍に戻ってきた。



*93年、ピシュグリュはライン軍を指揮していた。モーゼル軍を率いてきたオッシュと馬が合わず、オランダ方面に転出していた。

 11話「ライン方面軍」、参照

そして、ピシュグリュの裏切りが始まった……
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登場人物紹介

ルイ=ニコラ・ダヴー

Louis-Nicolas Davout

1770.5.10 - 1823.6.1


主役は、オレだ!


(後のナポレオン時代、”鉄の元帥”の異名を取る。無敗を喧伝される一方で、偏屈とも噂される。ここでは、彼が若く、ナイーヴだった頃を扱います)

小説「負けないダヴーの作り方」

ルイ・シャルル・アントワーヌ・ドゥゼ

Louis Charles Antoine Desaix de Veygoux

1768.8.17 - 1800.6.14


ライン軍将校。俺の憧れの人♡

注)本作及び、小説「負けないダヴーの作り方」は、BLではありません

ブログ「ドゼー1」 ~

サヴァリ

Anne Jean Marie René Savary

1774.4.26-1833.6.2


俺を差し置き、ドゥゼ将軍の副官になりやがった邪魔なやつ。こいつ、童てi じゃないかと、俺は密かに疑ってるんだが、 こんな世間知らずが、ドゥゼ将軍の副官になっていいものか!!

ラップ

Jean Rapp 

1771.4.27 - 1821.11.8


こいつも、ドゥゼ将軍の副官になりやがって。勇気だけが取り柄の、とにかくクソ生意気な男



ラップ目線の2000字小説が、こちらに「勝利か死か Vaincre ou mourir

ブログ「ラップ」

アンベール

General Jean Jacques Ambert

1765.9.30 - 1851.11.20


俺の上官。俺の軍服に、鼻水をなすりつけて感涙にむせぶ癖がある

作者

※このページは、ダヴーにのっとられました……

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