第10話 追 伸
文字数 923文字
～同日、月美の学食、午前11時20分～
学食っていうか、もうカフェだね。
お洒落ェ～。
オレが最初に見つけたんだぜ。
不毛な情報だな。
ちなみにカツ丼は置いていない。
珍しく有益な情報だ。
～同日、月美の学食、午前11時45分～
やっぱり、ちょっと物足りないな。
ミナミ、また来ようよ。
近いからいつでも来れるね。
あのォ・・・
(！！)
あ、
あの、やっぱり、お預かりは・・・
フジイが写真をアイバに渡す。
あァ・・・
(だよね・・・)
アイバは写真を受け取る。
よかったら、ここどうぞ。
あ、休憩時間、まだなので・・・
失礼します。
ミス月美？
女子大にミスコンはないでしょ。
ここに知り合いがいたの？
アイバの写真じゃん。
いつのだ？
ミス聖南のとき・・・かな？
じゃあうちの大学で撮ったのか。
偶然写ったってこと？
それにしちゃ、ピントばっちりだな。
でも、ミス聖南を撮ってたんでしょ？
何かホワッとした感じの写真。
変なオーラでも出てる？
クスッ、不思議ちゃんオーラ！
ケダモノちゃんオーラァー！
っていうか、
ムッツリちゃんオーラだよな。
そうなの？
オレの写真で遊ぶな！！
～同日、月美写真学科の展示会場、午前11時55分～
(学 生)
フジイさん、お疲れ様、交替するね。
あ、まだ大丈夫です。
もう少し休憩しててください。
(学 生)
いいの？ありがとう。
～同日、月美写真学科の展示会場、午後0時45分～
フジイは受付の席に座ったまま、壁の時計を見る。
(だよね・・・)
～同日の夜、相羽のアパート～
カバンから荷物を取り出す際に、写真が床に落ちる。
(！！)
写真を拾い、テーブルの上に放り投げる。
アイバは床に寝転がる。
(自分の写真もらってもなァ・・・)
再度写真を手に取り、寝転んだまま写真を見上げる。
(！？)
何かに気づき、写真を裏返す。
(！！)
あ！！
写真の裏の片隅に、
名前とメ－ルアドレスが書かれていることに気づく。
(フジイさん？)
≪✉：アイバタケルと言います。
昼間は失礼しました。あの作品本当によかったです。≫
≪✉：フジイサヤです。
ありがとうございます。そう言ってもらえて本当に嬉しいです。
早く写真を渡せる彼女さんができるよう祈っています。
おやすみなさい。≫
≪✉：おやすみなさい。
しばらくは自分の写真にうなされそうです。≫
クスッ
