第23話 影 響
文字数 1,235文字
~同日、新宿、午前11時~
アイバは1人で会場内を進む。
とある作品に目が留まり、その前で立ち止まる。
以前見たフジイの作品とどことなく雰囲気が
似通っているように感じる。
長身の若い男性がフジイに声をかける。
フジイと男性が親しげに会話を交わしている。
フジイがその男性と一緒にアイバの方へ近づいてくる。
「鳴桜会 」って少しは名の通った団体だから聞いたことくらいあるだろ?
「鳴く」っていう字が使われていることを不思議に感じるかもしれないが、
「鳴く」っていうのは生物が「わめき叫ぶ」ことじゃなくて、
「作者自らが声を上げてその存在を広く訴えかける」っていう意味なんだ。
ちょっと難しかったかな?
~同日、新宿の写真展、午前11時25分~
アイバは足早に写真展を後にする。
フユシバが強引にフジイの腕をつかむ。
フジイはアイバを追いかけるも
赤信号で足止めを食らう。