第35話 過 去
文字数 965文字
～12月、アイバのアパート、午後8時40分～
「夜」って・・・好きじゃない・・・
(？)
(前にもそんなこと・・・)
フジイの携帯電話が鳴る。
(！！)
ビクッ
(先輩・・・)
(・・・巻き込みたくない。)
(！？)
(そんな頻繁に？)
アイバがフユシバと会話をする。
＜☎：人の弱いところしか見ないヤツは信用しない。＞
＜☎：勝つためのセオリーだよ。＞
＜☎：物事を勝ち負けでしか考えないヤツなんかに関わらせない。＞
＜☎：サヤの意思なのか？＞
＜☎：誰だってそうだろ！＞
＜☎：電話を代わってくれ。＞
＜☎：関わらせない。＞
＜☎：アイバくんはサヤをどこまで知ってる？＞
(！！)
＜☎：・・・＞
＜☎：オレたちの過去に土足で踏み込んで来るな！＞
＜☎：その過去がトラウマになってるんだろ！＞
(！！)
＜☎：オレとやり合うつもりか？＞
＜☎：過去なんて知りたくもない。＞
(！！)
＜☎：知る術 もないしな。＞
＜☎：「知らなくていい」って言ったんだ！＞
＜☎：強がるなよ。＞
＜☎：今の彼女が好きなんだ。
これからもっと好きになって行く。＞
(！！)
＜☎：自分に酔っているだけだろ。＞
＜☎：そっちこそ勘違いしているだけだ。＞
＜☎：所詮は綺麗事でしかない。＞
＜☎：綺麗事なんかで終わらせるつもりはない。＞
＜☎：会って話そうか？＞
＜☎：関わる気はない。＞
＜☎：逃げるなよ。＞
＜☎：あなたはヒトを支配する人間じゃない、
ヒトを掌握できる人間です。＞
(！！)
(？)
＜☎：サヤちゃんに関わらないでください。＞
(！！)
・・・
＜☎：お願いします。＞
・・・
・・・
＜☎：君は構えないんだな。＞
＜☎：何も持っていませんから。＞
＜☎：守らなきゃいけないモノはあるだろ？＞
＜☎：守りましたよ、たった今。＞
(！！)
(？)
＜☎：かけひきを覚えればモノになりそうだ。＞
＜☎：それをやったら自分じゃなくなる。＞
＜☎：何手先まで読んでる？＞
＜☎：先を読める人にとっては、人生なんて楽勝でしょ？＞
＜☎：全部、計算尽 くか？＞
＜☎：そんな人生、楽しくなさそうだ。＞
＜☎：頭のいいヤツは嫌いじゃない。＞
＜☎：オレは大ッ嫌いです！＞
(！？)
クスッ
＜☎：ありません。＞
＜☎：もっと話をしてみたかったよ、アイバくん。＞
(！？)
＜☎：オレ！？＞
(？)
＜☎：・・・いや、もう関わる気なんてない。＞
