第29話 きっかけ
文字数 518文字
～同日、学食、午後2時5分～
・・・
(気になる人は他に？)
本当にごめんなさい。
でも、誰でもよかった訳じゃなくて、
あ、別にいいよ。
(そういう気遣いは余計傷つく。)
オレの方こそ、嫌なこと思い出させちゃって、
もう、会いません！！
(！！)
さっきアイバさんに、
ちゃんとした人を好きになれって言われて・・・
・・・
(もう会わないと思ったから、つい・・・)
ああいう人とは
やっぱり距離を置くべきだったって・・・
今まで私、何してたんだろうって・・・
・・・
・・・何か・・・嬉しかったです。
私のこと、本気で考えてくれてるみたいで。
(！！)
それと、
・・・下の名前で呼んでくれて・・・
(！！)
あ、つい・・・
・・・
・・・
「ちゃんとした人」って・・・どんな人ですか？
(！！)
え、あ・・・えと、信頼できて・・・
・・・いつも、そばで守ってくれる人・・・とか？
・・・アイバさんは「ちゃんとした人」・・・ですか？
(！！)
アイバは思わず目を伏せる。
・・・
・・・
信頼できて、
いつも守ってくれて、
・・・
正しい一歩を踏み出すきっかけをくれる・・・
(？)
そんな人がいます。
(！！)
そっか・・・
(いるんだ、そんなヤツが・・・)
アイバは不甲斐なさで唇をかみしめ、
やるせなさで思わず目をそらす。
