第33話 サ ヤ
文字数 785文字
サヤの日記。
4月○日(○)
ヨロシク、カメラたち。
4月○日(○)
4月○日(○)
また、あの電話。何度断ればいいの？
世界は相変わらずのモノクロ。
4月○日(○)
会う気はありません。
5月○日(○)
キタジと女子会。
部屋で爆喰い。
5月○日(○)
夜にならないで。断るの辛い。
5月○日(○)
「宿命」という名の悲劇。
5月○日(○)
撮影で訪れた隣の大学。
突然、不思議な感覚。
優しくて、真っ直ぐで、飾らない。
モノクロの世界が一瞬で色づいた。
時間が止まる？
今まで触れたことのない感じ。
気づいたらファインダーを覗いていた。
思わずシャッターを切っていた。
目が合って何故か駆け出していた。
5月○日(○)
今日のこのページ、陽射しが
鮮やかな始まりの鼓動を感じさせてくれる。
写真、次会ったら渡そう。
朝から日記？
6月○日(○)
駅で偶然再会、隣に彼女？
カバンの中の行き場のない写真。
胸の中の行き場のない気持ち。
6月○日(○)
キタジと女子会。
カラオケでノンストップ。
7月○日(○)
学祭で再々会。
初めての会話。
アイバさんが「鼓動」を
ありがとうございます。
あれ、初めて逢った日の翌日に撮ったんです。
あのときの写真渡せた。
勇気を出してよかった。
彼女いないって本当？
7月○日(○)
花びら？気づかなかった。何ていう花？どこかで実を結ぶ。
私？気づいてくれる？どんな性格？いつか実を結ぶ？
この香りに乗って届かないかなぁ。
8月○日(○)
しつこい。会う気なし。
8月○日(○)
長崎と新潟、普通なら絶対に出逢わない。
すぐ戻ろうかな。
本当に彼女いないの？
8月○日(○)
気の置けない仲間たち。
好きだった頃の自分に帰れる。
時計の針を戻せたら・・・
あっ、ダメ、絶対ダメ。
8月○日(○)
明日見る空の色が鮮やかでありますように。
あなたが見る空の色が私と同じでありますように。
