第13話 口添え
文字数 768文字
～2日後、午後の喫茶店～
おまたせ。
ごめん、呼び出して。
ううん、珍しいね。
あの・・・イシハラがさ、あ、この間会った、
ああ、高校の野球部で一緒だった人？
うん、あいつがさ・・・
ミナミちゃんと・・・また会いたいって言っててさ、
私と？
うん、できれば・・・2人でって・・・
あっ、別にダメならいいんだ、断るんで、
いいよ。
(！！)
え？あ、いや、ムリには、
アイバくんの友達でしょ。
(！！)
相羽くんのお願いだし。
～後日、デート中～
1年生でベンチ入りって凄いですね。
そんなことないよ。
でも、アイバくん、
どうして野球やめちゃったんだろ？
アイツ3軍だったし、
通用しないと思ったんだろうな。
高校時代のこと、あんまり知らないけど。
(やっぱり深い仲じゃない。)
(ま、当然か。)
あの・・・コジマさん、彼氏・・・とかは？
いないです。
(お洒落な香り？)
本当！？
じゃあ、立候補しちゃおっかなァ？
ありがとうございます。
(！！)
えッ！？ＯＫ！？
はい、立候補は自由です。
あ・・・
ナンパとかされない？
あァ・・・そういうの苦手で・・・
何か断っちゃいます。
そっか。
・・・
・・・
あの・・・1軍と3軍って、そんなに違うんですか？
うん、練習の度合いが違いすぎる。
オレたちはアイツらの何倍も努力してた。
努力？
そう、一目瞭然。
あの、努力って第三者が判断することじゃないと思うんです。
(！！)
結果に繋がらない努力だってあるんじゃないですか？
でも、それだって立派な努力なんだと思います。
本人さえそう思えれば・・・
・・・
あ、ごめんなさい。
あ、いや・・・
・・・
・・・
実は・・・気になる人がいるんです。
(！！)
他に考えられなくて・・・
・・・伝えたの？
いえ・・・
・・・気づいてないってこと？その人。
伝えていないので・・・
・・・
(このコの気持ちに気づかないって、どんなバカだ！)
・・・
・・・そっか。
ごめんなさい。
