第20話 ヒロイン
文字数 909文字
～10月、夜、アイバのアパート～
≪✉：写真お預かりサービスのフジイです。
サービス、開始したいと思います。≫
≪✉：写真「お預けしたい」サービスのアイバです。
ぜひ、お願いいたします。≫
クスッ
≪✉：ご契約にあたり、打合せをさせていただきたいのですが、
ご都合のよい日はありますか？≫
(打ち合わせ？)
≪✉：いつでも大丈夫です。≫
≪✉：ありがとうございます。
それでは、10月○日(土)、新宿駅東口、
午前10時30分でいかがでしょうか？≫
(新宿？)
≪✉：了解しました。≫
～翌日、昼の大学～
どうした？
いいことでもあったか？
え？いや、別に・・・
そういえば・・・
キタジさんと・・・フジッチさん、だっけ？
どうしたかな？
どうしたかなって？
いや、うちの学食、
来づらくならなきゃいいけど。
大丈夫だろ、ナンパの1つや2つ。
特にフジッチさん、いい感じだったな。
(！！)
そうか？
「そうか」って、お前、
何気に連絡先知ってたな。
(！！)
え、あ、まあ、色々あって・・・
フジッチさんが撮ったお前の写真、
どう見ても偶然じゃないだろ？
表情がよかったからって言ってたけど・・・
確か、ミス聖南が歩いてた道の向こう側だろ？
ちょっと距離あるよな。
それでも、明らかにピンポイントでお前を狙ってたんだ。
もういいだろ。
ミナミちゃん、ピィーンチ！！
何でミナミちゃんが出てくんだよ。
それにフジイさんだって、気になる人がいるって言って
お、噂のヒロイン登場！
あ～、いたいた。
アイバが会いたかったってさ。
え？
お前、からかうなよ！
あ、いや、会いたかったんだけどさ・・・
ハハ・・・
さっき送ったLINEのこと？
LINE？・・・ああ、これね・・・
何、何、こそこそ連絡取り合ってェ。
グループLINEで送ったよ。
え？・・・あ！
2人とも気づかないって、
何盛り上がってたの？
次の授業の予習を、
あ、それでね、今度の土曜日、
華麗にスルー！
土曜日、高尾山に行かないかなって思って。
(土曜・・・)
紅葉狩りか、いいね。
彼女さん、大丈夫？
大丈夫、大丈夫、
土曜は向こうが先に予定入れてたから。
あとはアイバくんだけだけど。
(！！)
あ～、ごめん、
ちょっと用事が入っちゃって・・・
そっかァ・・・日にち変える？
ハセには内緒で。
