第14話:燃料電池車と水素社会へ2

文字数 1,396文字

 国の補助金を適用しても負担額は300万円以上である。航続距離は最大で120キロメーターとされたがヒーターを使うと80キロメーターまで落ちる。電池切れの危険を考えると、せいぜい50から60キロメーターほどが実用的な移動範囲だった。充電は夜間に自宅で行うのが基本だが、非常の際に急速充電器を使うと、80パーセントまで回復するのに30分を要する。使い勝手の悪さがEVの購入をためらわせた。結局、エコカーとして最も普及したのは車種の選択肢の広いHVだった。ただ初代プリウスと比べると飛躍的に燃費が向上してはいるもののガソリンを使って走るのだから究極のエコカーとはいえない。

 EVHVを組み合わせたプラグインハイブリッドカー、PHEVも発売されたが、やはり電池を多く積まなくてはならないため、価格面では競争力を持つに至っていない。2015年が水素元年になると目される中、トヨタは一足早く2014年11月18日に量産FCVのミライを発売した。リースではなく、ユーザーも購入することができる。ホンダは2015年度、日産は2017年にFCVを発売する計画だ。2020年、大手自動車メーカーのFCVが出そろうことになるといわれている。エネルギー革命が、見えないところで静かに進んでいるのかもしれない。燃料電池はガソリンエンジンに代わる動力源というだけにとどまらず、エネルギーの根本的な転換という意味を持っている。アイスランドでは、国全体で石油に頼らないエネルギー構造を実現するための試みが行われておりFCVに加えて燃料電池バス、燃料電池船を運行し水素ステーションの建設を進めている。2050年には水素社会を実現するという壮大な計画だ。

 日本と同じく資源を持たないアイスランドにとって、石油依存からの脱却は悲願なのだ。先進諸国では2020から25年までに自動車1台当たり二酸化炭素排出量を約100グラム/キロメーターに抑えることを義務付けることが決まっており、環境対策車の開発は急務となっている。ただ次世代車にはまだ不確定要素が多くテスラモーターズCEOのイーロン・マスクも「FCVが自動車産業が進むべき正しい道だとは思わない」と発言している。その中で日本は水素社会へと大きくかじを切った。国会の水素議連のメンバーは100人を超え、経済産業省は「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定した。2020年の東京オリンピックは水素社会をアピールする絶好の機会ととらえられ、舛添要一東京都知事は「競技施設、選手村ではガソリン車を排除する」と発言した。

 2012年に買い取り価格1KWあたり42円という太陽光発電の買い取り制度が始まった。当時の太陽熱温水器と太陽光発電装置が一緒になったシステムの設置費用が260万円であり、神奈川県と横浜市の補助金「太陽光+太陽熱」19万2千円が出た。太陽光発電の買い取り条件は6KW「買い取り期間20年、2032年まで」月に150KW平均で¥6300の買い取り価格となる。年間、約¥76000、20年で151万円程度。太陽発電装置を設置してから月平均600KWHを発電して、月の使用量が440KWHであり、年間8万円売電できた。その経験で、家の車のガレージの屋根に4KWHの太陽光発電装置を220万円で追加した。これによって売電金額が増えて、太陽光発電装置の減価償却が非常に早まった。
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