文字数 448文字



予定外のタイミングにかかってきた電話に
頭の中で想像したくない出来事が
嵐のようにフラッシュする
咄嗟に出た言葉は「もしもし」とか
ありきたりな返事じゃなくて
どうした?と無機質な言葉を奮い出していた
ボロボロで消えてしまいそうなその声は
名前の相手の声だと言う認識の安堵と
名前の相手から聞くはじめての震えた声に
心が追いつかな位くらいの動揺が襲う
ただ次第に安心が身体中を伝播して
一瞬のうちに力が抜け去り
立っていられなくなっていた
君の望む険しくも高い夢を
優しく見守り続ける心の奥底では
無謀とも思える激しくて厳しいその頂の
遥か向こう側の景色に思い馳せる
君を必死に引き止めたくて声なき声で
これ以上苦しまないでと無責任に叫ぶ
長い間たくさんみんなで話し合った
諦められない全てを
知っているから たくさん聞いているから
その硬い意志で決めた道を突き進む君に
僕には何もしてあげられない
だからせめて眠れない夜の友に送ろう
思いの丈と心からのエールを
たくさんの言霊に乗せて
君がほんの少しゆっくり眠れるように
君がたくさんまた笑えるように
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