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文字数 356文字



手ですくった一握の砂が
風に舞い闇の向こうに消えていった
月の光に星たちは一つ二つと
見つからないようにとどこかへ隠れていく
弱いあの頃の僕のように
いつもの場所がいつもの場所じゃなくなった時
僕は今までの僕を全て奪われた
ただ生きるためだけに
僕は全てを捨てた
神様がいるのなら僕を生かしたことを
後悔させてやりたいと願った
力が欲しかった力は金を生んだ
がむしゃらに生きることを貪り続けた
僕は知ってる死はいつも隣にある事を
僕が自ら選ばなくてもいとも簡単に
選ばれてしまう事を
僕を生かしたのなら僕は神様をも嘲笑おう
くだらない不文律の上にあぐらをかいて
簡単に壊れる幸せに染まる
生かされてると知らない奴らに
語り部として薔薇の道を作りだそう
小さな穴から見上げた月の光は
今日も我が物顔で夜の闇を支配している
僕の居場所を作り出してくれてありがとう



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