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文字数 582文字
正義の味方って強いと思っていた
強くて清くて正しいモノは無敵に思えた
少年の頃はそんな強さに憧れていた
かっこいい車にのってサイレン鳴らして
悪いやつをバンバンとっ捕まえて
街がいつか平和になると本気で思っていたんだ
でもそこは居心地なんてよくなかった
次から次から休む暇もなく
僕らはひたすら走り回った
笑うのも忘れてしまうくらいに
点数とか件数とか
くだらないしがらみに振り回されて
誰かれ構わずを疑い続けて
いつしか誰も信じられなくなった
そして僕は自分も信じられなくなった
ルールは弱っちい奴らが
守られるためのくだらない鎖だと思ってた
でもルールなんて守ってたら
自分は自分じゃなくなると思ってたから
暴れて贖ってルールの檻に囲われたくなかった
強くなれその言葉を信じて
強い場所に居場所を見つけた気がした
でも幻影だった
どこへ行っても誰も彼もルールで縛り付けて
毎日うんざりだった
でもあの頃と違うから
ルールを俯瞰してみた
大人になると少しずつルールが
軽くなったような気がした
そんな時正しいところに走りたくなった
何か新しい朝が始まる気がしたから
今までで一番最悪な日が始まる気がした
今までで最高な日々が始まる予感がした
ワクワクやドキドキが湧いてくる
こんな場所をどこかで待っていた気がする
新しい扉の向こうに
何が待っているのかわからないけど
この楽しい危険なやつと走ろう
待ち受けてる僕らの飽きることのない日常を