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文字数 852文字



子どもの頃から1人は慣れてる
何をやってもみんなより上手く出来ないから
本を読むのは僕の大切な人が喜ぶから
そして勉強は僕を裏切らないから
走ることより好きになった
ドアの向こうには興味があったけど
傷つくのが怖くて外に出かけなくなった
いつからかドアのカギをかけたままにしてきた
チャイムもノックも聞こえてくることがなかった
それでもよかった僕は1人で楽しく生きれる
同級生だった人たちが結婚しても
同期の同僚に子供ができても
僕にはどうでも良くなっていった
同じ時間に起きて同じ電車にのって
時々残業して1人でいるには十分なサラリー
自由な時間を手にするために
家事にお金を払うことを知った
平穏に週末を過ごせるための安らぎ
安い買い物のはずだった
でもなかなかいい週末を迎えられなかった
大切な人がしてくれてた平穏を迎えられる日に
なかなか巡り会えなかった
そうあの日までは
初めてチャイムの先のノックが聞こえた
扉の前に佇むあなたに僕は
言葉を忘れてしまったんだ
あなたから発せられる言葉は
いつも僕の知らない世界から降ってくる
いつのまにか閉ざされてたドアの向こうに
明るくて眩しい道が長く続いてた
あなたがここにいるだけで
部屋の中に沢山の花が咲き乱れて
僕はいつのまにかこの場所が大切になっていた
前なら考えすらしなかった悩みにも
機械が作り出す温もりじゃない
温かい料理が毎日出てくる当たり前にだんだんと心が満たされていった
そして僕にだけ注がれるあなたの笑顔に
プロの平穏なんていう言葉が
どこかに溶けて流れていった
1人でいなければならなかった夜は
心と身体がバラバラになっていた
あんなに心地よかった1人で眠るベッドが
氷のように冷え切って僕は凍えてしまった
そして僕は気がついたんだ
あなたがいない明日を僕は1人じゃ歩けない事に
今日僕はあなたに言いたいことがあるんだ
これからずっと僕と一緒にいてください
あなたが思うほど僕は
頼りがいのあるやつじゃないかもしれないけど
あなたの全てを僕の全てで
幸せにすることを誓います
僕にこんなに素敵なドアの外の世界を
教えてくれてありがとう

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