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文字数 261文字
空は高く晴れ渡り秋を迎える準備に忙しい
稲穂はこうべを垂れて色づき出す
羽を休めていた小さな翼が
別れを告げ旅立つ
夏のにおいがまだかすかに鼻腔をくすぐる
突然の雨に天パも気分もモヤモヤが募る
手持ちのちっぽけな傘じゃ
足元から張りぼてで隠しただけの
どこにぶつけていいかわからない
小さな怒りが育っていく
そんなとき舞い降りた笑顔の天使
一度も満たされなかった僕の心のオアシスが
どこかに忘れた優しさの水たまりを作る
あなたのその閉ざしかけた本当の声が聞きたい
僕の耳元で囁いて会いたいと呟いて
君が触れてくれた愛おしい指先で
僕が奏でる愛を受け止めて