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文字数 569文字



積み重なる勲章と引き換えに
仲間と呼ばれた奴らが俺から離れていく
お一人様上等使えない奴は要らない
はみ出して見つけたモノに価値はない
正義のルールに則って一番を取れた
爽快さを埋め尽くすくらいに飲み干す酒は
言い尽くし難い高揚をもたらす
最高にいい気分だやめられない
バカなオレはずっとそう思ってた
あいつらがまた鍛えてやれよと
活気盛んなやる気の塊の若いのを押し付けてきた
逸る気持ちが抑えきれないガキのおもり
オレがイライラしてる様を奴らが嘲笑いたいだけ
それならそれで構やしないさ
子守と言うルールに従いながらまた一番を取る
ただそれだけをやる
ただそれだけだったのに
一番を取り続けてきたオレは
あいつの逸る気持ちを読み違えた
間違いは連鎖して転がり落ちていった
前ばかりを見続けて
振り返りもしなかったオレには
通り過ぎた道が静かに崩れていくのを
気がつきもしなかったその先に待っていたのは
あいつが正義の拳を間違えた方向へ振り下ろし
そしてオレは大切なことを取りこぼした
かけがえのないものを失うなんて
自分とあいつに向けた無力さの怒りで
何にも見えなくなってたオレは
残酷で償いきれない十字架を
酒と引き換えに手に入れた
あの時にあの時にと言う問いかけは
夢の中にまでこだまする
いいさ甘んじて受け入れよう
あいつの最後の叫びが投げつけたブーメランが
オレの全てを引き裂いて身体が塵になるまで








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