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文字数 645文字



真っ暗な道が続いていた
もがいてももがいても
走っても走っても小さな灯は遠く
なかなかたどり着かなかった
一筋の光を与えてくれたあなたの背中は
大きくて暖かくてただひたすら真っ直ぐに
あの声について行けば辿り着けると思っていた
やっと浴びた太陽の光に僕は心躍った
心の中に嵩張る全てを受け入れて欲しかったから
けれどそんなに簡単じゃなかった
焼けつくような陽射しは
負けず嫌いな僕を容赦なく叩きのめした
そんな僕にあの大きな背中は
真っ直ぐ生きろとずっとずっと
手を伸ばしてくれてた
その手の先に待ち受けるのは
グッドエンディング
それとも
バットエンディング
今はどっちでもいいまた走れるその日まで
月日は流れていつのまにか
僕は心も大人になっていた
我慢と慈しみとそして高まる思いを
コントロールできるようになって来た
たくさんの笑顔に出会えて
僕は信じる気持ちを手に入れた
善と悪は隣り合わせその境なんて見えない
でも必ずそれは同じ道の延長にある
僕1人じゃ手に入れられないもの
それを知ることができた
大きな背中をいつのまにか追い越して
僕は走り続けてた
大きな背中は遠くで僕にサヨナラを告げていた
流した涙を僕1人で
受け止めなきゃならないと思ってた
でも僕の涙と同じくらいの悔しさを背負って
一緒に喧嘩しながらも走り続けてくれる奴がいる
時々ムカつくけど昔のように
イラつかないでいられるのは
同じ未来を一緒に見ているから
誰かの間違いや失敗は1人では背負えない
大きな背中のあの人は
今は見えなくなってしまったけど
僕は走り続けるよ
いつかその答えにたどり着くまで




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