第11夜 みずがめ座 トロイの街の 美少年

文字数 706文字

秋の夜空に輝く、「みずがめ座」。
今夜は、みずがめ座に伝わるギリシャ神話をご紹介しましょう。

この星座、水瓶という道具の星座と思いきや、「みずがめ座」の学名「Aquarius(アクエリアス)」には、「みずがめを持つ男」という意味があります。
星座の絵を見ても少年が水瓶を担いでいる姿が描かれていますね。
この水瓶を担う少年、ギリシャ神話では、トロイの街に住む美少年ガニメデの姿とされています。

昔々のお話です。
ギリシャ神話の神様たちは、オリンポスの山の上で暮らしていました。
オリンポスには、神様のお世話をする女性が居りました。
でも、そんな彼女もお年頃…お嫁に行くことになったんですね。

そこで、一番偉い神様ゼウスは、彼女の後任を探すため
鷲に姿を変え、人間界へとやってきました。

トロイの街の上空お飛んでいると…ガニメデ君の姿が目に付きました。
彼は、評判の美少年です。
鷲のゼウスは、ガニメデ君の所へ舞い降り、彼をオリンポスの山へと連れ帰りました。
・・・この時、「ワシに着いて来い!」って言ったかはわかりませんが。

トロイの街では、ガニメデ君がいきなり行方不明になった訳で、家族が心配します。
そこで、ゼウスは、ガニメデ君の両親を安心させようと彼を星座にしたのでした。
これが「みずがめ座」です。

「ガニメデ君のお父さん、ガニメデ君のお母さん、
 ご安心ください。
 あなたの息子さんは、オリンポスの山で立派に神様たちのお役に立っていますよ」

星空にガニメデ君の元気な姿を見た両親は安心しました。
ガニメデ君は、大神ゼウスから「永遠の若さ」「永遠の美しさ」そして「永遠の命」を授かり、今でもオリンポスの山で神様たちのお世話をしているという事です。
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