第27夜 天担ぐ 巨人アトラス うしかい座

文字数 668文字

初夏の宵空、天頂近くで輝くオレンジ色の1等星を見つけたら、それは「うしかい座」のアルクトゥルス。

アルクトゥルスには、「熊の番人」という意味です。
「うしかい座」のすぐ近くには、「おおぐま座」があります。
「牧場の牛を大熊から守る」という意味でアルクトゥルスの名が付けたらのでしょう。
古い星図では、「うしかい座」のことを「牧夫座」と表記していました。
読み方は、「まきお座」もしくは「ぼくふ座」だったようです。

さて、今夜は、「うしかい座」の物語をご紹介します。

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「うしかい座」は、巨神アトラスの姿とされています。

ギリシャ神話の巨神一族・タイタン族は、大神ゼウスたち神様の一族と戦争をし、負けてしまいました。
タイタン族のアトラスは、罰として天を担ぐことを命じらたのです。
天は重くアトラスは、苦しみました。

ある日、アトラスのところに勇者ペルセウスが訪ねてきました。
ペルセウスは、怪物メデューサを退治する旅の途中でした。
メデューサとは、その顔を見た者は石になってしまうという怪物です。
アトラスは、ペルセウスにメデューサの居所を教えました。
礼を言って立ち去ろうとするペルセウスに、アトラスは1つ頼み事をしました。
「お前がメデューサの首をとってきたら、私にも見せてくれ」と。

無事メデューサを退治したペルセウスは、アトラスの下へと戻ってきました。
ペルセウスが、メデューサの首を見せるとアトラスは天を担いだまま大きな岩山になりました。

アフリカ北部にあるアトラス山脈は、巨神アトラスの姿だということです。
山になったアトラスは、今でも天を担いでいるんですね。
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