第18夜 ベレニケの かみのけ 輝く星になる

文字数 629文字

春の夜空の星空めぐり・・・。
今夜は、ちょっと珍しい星座をご紹介しましょう。
「かみのけ座」です。

全天に星座は88ありますが、
人の体の一部が星座となっているのは、この「かみのけ座」だけです。
神話では、王妃ベレニケが祭壇にささげた髪が天に昇ったものとされています。

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ベレニケは、美しい髪を持つエジプトの王妃でした。
ベレニケの夫である王は、戦争へと出かけて行きました。

ベレニケは、王が戦場で勝利し無事帰還するようにと毎日毎日祈りを捧げました。
しかし、王はなかなか戻りません。
「神よ。
 王の帰還を・・・」
目に涙を浮かべ祈る王妃ベレニケに神のお告げが下りました。
「ベレニケよ。
 そなたの持つ最も大切で最も美しきものを祭壇に捧げよ。
 そうすれば、願いは叶うであろう」
翌日、ベレニケは、祭壇に自分の髪をささげました。

ベレニケの祈りが通じ、王は無事に帰還しました。
王を出迎える妻、ベレニケの様子がおかしい・・・。
よく見ると髪を切ってしまっているではありませんか。
王は悲しみましたが、その訳を知りベレニケの心遣いに感動しました。

翌朝、神殿からベレニケの髪が消えていました。
大神ゼウスが、美しいベレニケの髪を星にしたのでした。
===
「かみのけ座」の学名は、「Coma Berenices(コマ・ベレニケス)」と言います。
「Corona Borealis」は、「ベレニケの髪」という意味です。
この髪の毛の持ち主がベレニケであるということが、星座の学名を見てもわかるんですね。
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