第3話 a good idea

文字数 694文字

耳目にするあれこれ。
構想に繋がる。
それが、自分の置かれた立場や願い、怖れと結び付き、また、執筆中のものに影響を与え、まったく別のものに変えて行く予感。
忘れてしまわないだろうか?
たくさんの書きかけて止まってるものの中には、そんな新しい段階へのステップとして機能を果たしながらも、その単調な様式に捨て難い魅力を感じ、ゆっくり書き加えたいものもあれば、拙く削除するかもしれないものもある。
現状、自分自身が過程を確認する為に残しておいて、気が向いた時に書き加えたいと思っている。
しかし今は、気が向いたものも書けない。
様々追い詰められ、日々をどうにか金を稼いでしのぎ、少しでもまともにしようと這いずり回って、疲れ果てて眠る。
余裕があればと思う。
誰かが居れば、と思う。
ぽん、と100万円、そら、書きたいだけ書いてごらん。
金をかけられれば、片付くたくさんの事を、潰れそうなくらいに背負い込んで、逃げ道のない、先延ばしの出来ない、誰も手を貸し切れない、ひとりきりのどん詰まり。
そこが解消されれば、開花するのではないか?
そんな甘えた夢から、目が醒めない。
気力・体力・時の運。
いや、運は持ち合わせてないから、それらしきものを手繰り寄せるのもやはり、気力・体力。
もう、ダメだ。
思い通りにいかない。
けど、そんな渦中でこそ、出来る表現があるのかもしれない。
「げてもの」
些細なきっかけで書き始めた話は、そんなギリギリの孤独な僕の、生死の瀬戸際で絶望をより深めていく日々、それを麻痺させて力なく笑う為、もしくは明日目覚めなくても良いように、からだを壊していく無茶な飲酒と酩酊が紡ぐ夢の様なお伽噺。

して、まだ目は醒めた。
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