第6話 線香花火大会

文字数 399文字

まったく書いている暇がない。
繁忙期、いろんな事があり、たくさんのひとと会い、いろんな事を考える。
しかし、一分一秒を金にする為に、たましいを売る。
目に見える事だけが、すべてで良いんだ。
それで面倒事を君に押し付ける。
ごめんよ、とは言わない。
嫌いになってくれて良い。
酒は飲んでる。
むしろ、飲み過ぎている。
けれど、なんだか身体は調子良い。
ただ、暇潰しに飲む酒とは違う。
ガソリン。
一種の興奮状態、躁状態が続いている。
時々、ふっ、と死にたくなるけど、気にしない。
ケツに火が付いて、馬車馬。
八つ当たり。
それで良い。
しばらく留守にするよ。
誰が訪ねて来て、ノックしても、僕は居ない。
たとえそれが、君であっても、ね。
わかるだろ?
「僕」なんて、とうの昔に居なくなってるから、僕は「僕」と書く。
そして、その「僕」を葬ったのは、他ならぬ君だ。
良かったね。
で、この騒ぎが終わる時、僕はもう、居ないのさ。

居ない…
居ない…

居ない。
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