第18話 使いのこし

文字数 445文字

「昼星」「夜の太陽」。
対を成す作品。
「昼星」は都合の良い絶望と、その終焉。
「夜の太陽」は、都合悪い希望とその続行。
この2本柱に自伝的な「彼女は白くてやわらかい」。 
負を吐き出すには十分だ。
そろそろ純度高めて美しい作品を、と書き出したのが「残念賞」。
私的な話だが、僕の元妻は「おさとう」の主人公に自分を寄せている。
その為に書いたのだから、それで良い。
コンテスト佳作という、ある程度の世間の承認が、彼女の気持ちを後押しする。
その為に書いた作品だから、それで良い。
けれども、ひとつの誤算。
僕は彼女の未来の為、作中で自分を殺した。
読んで貰えばわかるが、最終話は蛇足でしかない。
それなのに、彼女に火を点けてしまった。
彼女は彼女の生涯に、もう僕ひとりしか居ないと思い込み、決めつけている。
違うよ。
違うんだ。
僕は貧乏神だよ。
だから、僕よりマシな誰かが、きみを求め、探してる。
そんな出発点から、漸く美しい物語に手が付いた気でいる。
今週。
やっぱり、会わずにそっと帰ろうか。
あ、こういうの、ずるいね。
ごめんよ。
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