第21話

文字数 314文字

 デアリア鉱山の歴史は、北方の雄、ガシュトニア王国にまで遡る。その頃は、北の地の採掘場の一つに過ぎなかった。
 深く掘られ、優良の評判は有った。
 忌まわしい物語は、暗黒帝国の一つザルゴンに、始まる。闇のドワーフ達、闇のエルフ達の邪悪なる実験所の一つが、地底の世界に置かれた。
 デアリアの鉄を鍛えた武器が、闇の魔法を帯びて送り出された。
 鉱山の奥深くには、より危険な存在が召喚されていたとも、いう。
 大魔戦争によってザルゴンは、滅びた。
 デアリアの闇も掃討され、浄められたという。
 が、それでも、今でもかつてのデアリア鉱山は、不吉な陰を帯びている。近付こうとするのは、愚か者か、闇を求める者か。
 或いは、両方であるかもしれなかった。
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